Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

国政調査権

民主党の永田議員が、ホリエモンから自民党武部幹事長の次男に三千万円を振り込むよう支持するメールがあったとして、国政調査権の発動を求めている件ですが、ネットではこのメールそのものがガセか怪文書に類する物だという意見が多いようです。
僕もこのメールと称する物だけでは証拠としては弱いと感じています。民主党は口座情報などのより強力な証拠を持っていることを匂わせて、証拠開示と引替に国政調査権の発動を要求しているようですが、現在の証拠が弱いことを考えると、その証拠を提出した上で改めて国政調査権について議論すべきだと思います。
さらに思うのですが、もし自民党がこの取引に応じて、この程度の証拠で国政調査権が発動される前例が出来てしまった場合、永田町でたびたび飛び交う怪文書レベルの情報を根拠に国政調査権が発動されることになりかねないと懸念しています。もしそのような事が起こった場合、与野党双方が信頼性の低い情報を根拠に国政調査権発動を繰り返し、国会はその対応に追われることになるでしょう。そして調査対象となった機関は官民問わずその対応に振り回され、いつどんな話で国政調査をやられるかびくびくしなければなりません。
さらに国政調査の対象が報道機関や言論人、一般のブロガーやネットワーカーであった場合、頻繁に行われる国政調査によって言論の自由が脅かされる危険もあると思います。
このように不十分な証拠に基づいて国政調査権を乱発することはあまりにも弊害が多いように思うので、今回の問題については国政調査権の発動に慎重な自民党が正しいのではないかと思います。