Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

何故福井総裁は拠出金を信託銀行に預けなかったのか?

福井日銀総裁村上ファンドに1000万円を出資していた問題が広がりを見せていますが、今日の日経新聞朝刊(5面)にそれに関連した興味深い記事がありました。

 日銀は九八年春に九十八人が処分された接待疑惑を受け、新日銀法の下で信認確保に細心の注意を払って再出発した経緯がある。前審議委員の中原伸之氏が就任時に「(執行部から)持っている株式や出資金を信託銀行に預けるようアドバイスを受けた」と語るように、強制力はないものの、株式投資をしていた審議委員には慣例的に信託の活用を求めてきた。
 財産を信託に委ねれば職務と資産運用の関係を疑われるリスクを避けられるからだ。しかしこうしたルールは明文化されていない部分も多く、今回の問題が起こる原因になった。



つまり、すでに1998年の時点で、日銀は審議委員や執行部が株式運用や出資をすることが職務上問題であることを認識し、問題を避けるために信託銀行に預けるべきだと考えていたことになります。
しかし、福井日銀総裁から村上ファンドへの拠出金については、このような対策が取られたという話はありません。もし対策が取られたのであれば、このような記事も書かれなかったでしょう。
もし福井総裁がこの拠出金を信託銀行に預けていれば、2月に急遽解約する必要もなく、インサイダーを疑われることもなかったでしょう。


何故福井総裁は村上ファンドへの拠出金を信託銀行に預けなかったのでしょうか?