Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

靖国神社と天皇陛下

日経新聞富田メモの存在をスクープしたことで、元A級戦犯分祀や首相の靖国参拝と絡めた議論が起きています。ネットでそれらの議論を見ていて思ったのですが、靖国神社天皇陛下の関係にあいまいなところがあるような気がします。
今でも靖国神社天皇陛下を祭主と位置づけているのであれば、1975年以降天皇陛下の参拝が途絶えているという現状を考えれば、靖国神社天皇陛下のご意志を確認して、天皇陛下が参拝できる環境を整えるべきでしょう。その主な原因の一つに1978年の元A級戦犯合祀があるという説が強い以上、靖国神社は本当にそうなのかを確認し、もしそれが本当ならば合祀の撤回も考えるべきだと思います。
逆に靖国神社があくまでも元A級戦犯合祀を堅持し、それが天皇陛下のご意志に反しているのであれば、靖国神社天皇家との関わりを絶つべきだと思います。
天皇家との繋がりは維持したいけど、天皇陛下のご意志はあいまいにしておきたい、そんな靖国神社の姿勢がこの問題を混迷させている大きな原因だと思います。


ただ、この件を政治的に利用して、例えば首相の靖国参拝と絡めるようという姿勢も、やはり問題だと思います。首相の靖国参拝を私的なものだと考えれば、それは個人の信仰の自由の侵害になりますし、公的なものだと考えれば、天皇による政治への介入となりますので、いずれにせよそういう考え方は憲法上問題があるでしょう。首相は天皇陛下のご意志とは関係なく、自分の信念と政治的影響を総合的に判断して、参拝するかどうかを決めるべきだと思います。


何だか、右の人たちは天皇陛下のご意志をあいまいにしようとしてるし、左の人たちはこんなときだけ天皇陛下を利用しようとする、そんな風に思えて、どっちもどっちという気がしてしまうんですよねえ。