Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

イジメのインセンティブ

いじめる側のメリットが大きくコストが少ない限り、いじめ発生は不可避だろう - シロクマの屑籠
実際には、いじめる側のメリットは小さくコストが大きいのだが、その損得勘定ができないからいじめが起こる - 分裂勘違い君劇場


最近、ネットでもイジメを巡る意見がいろいろ出ていますが、その中で「何故イジメっこはイジメをするのか」を論じたこの2つの記事が目を引きました。
id:p_shirokumaさんの意見は、経済学で言えばイジメっこのインセンティブを分析したものだと言えるでしょう。一方、id:fromdusktildawnさんは、それに対してイジメっこが損得勘定ができない(つまり合理的経済人ではない)ためにイジメを行うのだと論じています。
どちらの意見も納得できる物だと思いますが、僕はこれを読んでいて次の本に出てきたKKKクー・クラックス・クラン)のエピソードを連想しました。

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

この本によると、反KKKの運動家がKKKに潜入して得た内部情報をスーパーマンのラジオドラマのスタッフにリークし、それを元にして作られたドラマの中でスーパーマンKKKをこてんぱんにやっつけた結果、KKKは子供達の間でバカにされるようになり、その父親であったKKKのメンバーが大いに動揺し、弱体化したそうです。
id:fromdusktildawnさんはイジメっ子がマンガやアニメで悪役とされているかっこ悪い立場であると指摘していましたが、巨大な黒人イジメ集団であったKKKも同じような立場になって弱体化したというのは興味深いですね。
このようにイジメのインセンティブを分析して、そのインセンティブがなくなるようにしていくことは、イジメ問題を改善するための効果的な方法だと思います。教育学者や社会学者、経済学者が協力して、このような分析を行えば良いと思うのですが。