Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

自民党が払った犠牲

forrestalさんの記事(http://j-forrestal.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_5411.html)で紹介されていた小沢氏の辞意表明記者会見の発言を改めて見て、「ええっ!?」と思ってしまいました。

 小沢氏は会見で「連立政権の樹立をめぐり政治的混乱が生じたことを受け、けじめとして代表を辞することを決意した」と説明。首相との党首会談については(1)自衛隊の海外派遣は、国連安保理か総会の決議で認められた国連の活動への参加に限る(2)新テロ対策特措法案の成立には連立が実現すればあえてこだわらない−−の2点で合意したと語り、意義を強調した。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071104k0000e010034000c.html

「(2)新テロ対策特措法案の成立には連立が実現すればあえてこだわらない」とありますが、参院選以降の自民党はこの法律の成立を国際公約としてこだわってきたはずであり、安倍政権の崩壊もこれが原因だったはずです。そこにこだわらないとなると、自民党の大きな方針転換というだけではなく、海上自衛隊はインド洋に戻らないということを意味することになります。これは海上阻止行動に参加している各国の反発を招き、日本の国益を大きく損ねる、というのが保守派の一致した意見だったはずです。
小沢代表の発言では福田総理はそこにこだわらないというわけですから、福田総理にとっては海自のインド洋派遣による国際協調よりも、連立による政局の安定の方が重要だったということになります。もしこの発言が嘘ならば自民党が直ちに否定したはずですから、これは本当の発言だったのでしょう。


これが本当に自民党の勝利なのか、考えてみれば疑問です。この小沢発言の意味にアメリカが気づいたら、日米関係はどうなるんでしょうね?