Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

中国バブル崩壊開始!?

溜池通信の「かんべえの不規則発言」で、昨日、かんべえさんがこのようなことを書いていました。

<11月25日>(日)


〇中国にいる間、「日本のバブルの経験を聞きたい」という声をしばしば聞きました。実際、特に上海では「買った家の値段が3倍になった」だとか、「もう今からでは買える家がない」とか、「美術品や骨董品が高値になっている」などと、昔どこかで聞いたような話をたびたび耳にしましたから。


〇日本の経験を当てはめるならば、本当の意味でのバブル崩壊は株価下落の2〜3年後にやってくるはずです。でもって、株価の下落は今まさに始まった感がある。その辺は、以下のグラフをご参照いただくとよく分かると思います。


●上海総合指数:http://stock.searchina.ne.jp/data/chart.cgi?span=90&asi=1&code=SSEC 


●SSE Composite Index: http://finance.yahoo.com/q/bc?s=000001.SS


〇上海の総合株価指数(SSEC)は、今年2月27日に3,048.83Pで開けて、2,771.79Pで引けた。1日で9%も下げたということで、NY 市場までつられて下げて、世界同時株安が起きた。これを「上海ショック」とか「227事件」などと呼んで騒いだわけだが、海外の動揺を無視するかのように、SSECはその後も上昇を続けた。3月19日にはあっさりと3000P台を回復。あれよあれよという間に倍になり、10月15日から17日にかけては終値で6000Pを超えた。つまり半年で倍になった。


〇ところが先週末の時点では、5000Pギリギリまで下落している。罫線の形を見るからに、この先の調整は長引きそうである。?政府による景気引き締め策、?資源価格高騰の影響、?今後予想される対米輸出の減少、そして?サブプライム危機に伴う海外資金の退潮、といった諸般の情勢を考えても、結論は変わらない。「いつか来る」といわれてきたその日が、今こそ到来したのだとしたら、はて、政策はどうすべきでありましょうや。


〇おそらく正解は「何もしない」でありましょう。11月23日でも書いた通り、伸び盛りの経済にとってバブルの生成と崩壊はそんなにめずらしいことではない。実体経済の強さを考えれば、復活も早いはず。問題はその間に、間違った政策が取られてしまうリスクであって、その可能性はあんまり低くないと思います。金利を上げすぎるとか、為替レートを急激に上げるとか、公的資金で株を買い支えるとか、不動産向け貸し出しの総量規制をやってしまうとか。それって全部、日本がやってしまったことですけどね。「日本に学ぶ」必要は大有りということだと思います。

かんべえの不規則発言

確かに10月中旬を頂上として、中国の株価が下落に転じています。
もしこれが本当にバブル崩壊だとすれば、今の中国は日本のバブルで言えば1990年初めの状況にあることになります。「日本の経験を当てはめるならば、本当の意味でのバブル崩壊は株価下落の2〜3年後にやってくるはずです」ということは、本格的なバブル崩壊は2010年ごろにやってくることになります。そして2012年の次期共産党党大会に向けて、景気が悪化してゆくのでしょう。
また、かつての日本のような「間違った政策が取られてしまうリスク」も、最近のインフレ率上昇や、土地で大もうけした富裕層への反発(しかもその土地は庶民を追い出して手に入れたもの)を考えると、金融緩和が「富裕層優遇、貧乏人いじめ」と国民に受け止められてしまう可能性が大きいため、バブル崩壊時に必要な迅速な金融緩和を行えないリスクは少なくないでしょう。それどころか国民受けをねらって金融引き締めが行われる可能性もあります。
さらに今年の党大会で明らかになった習近平李克強の次期総書記レースが経済政策にも及ぶことを考えると、まともな金融政策が行われるのか、不安は拭えません。


考えてみれば2012年というのは中国、台湾、韓国、アメリカで指導者交代(もしくはその可能性)がある年であり、その先のアジア情勢に大きな影響を与える年ですね。そんな年に中国経済が底を迎えるとなると、どの選挙も大波乱必至でしょうね。日本はそのときどうなってるんでしょう?