Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

「嫌韓」の理由

 韓国が試合開始直前に先発オーダーをがらりと変更した。星野監督によると「1時間前にオーダーを受け取っていた」。だが、実際のオーダーは先発投手が右の柳済国から左の田炳浩へ。打線も左腕の成瀬を意識してか、1番から6番まで右打者が並んだ。

 指揮官はあわてて球審に詰め寄ったが、オーダー変更は認められ、そのままプレーボール。報道陣にも試合が始まってから新しいオーダー表が配られる事態となった。

 韓国の金卿文監督は「(国際野球連盟=IBAF=の)ルールは破っていない。いいとは思わないが、今回のルールでは、うそのリストを作ることもできる」と釈明。これに対し、星野監督は「監督会議で紳士協定を結んだ。ルールブックにはないことだが、非常に疑問だ」と静かな口調ながら怒りをあらわにした。

http://sankei.jp.msn.com/sports/other/071203/oth0712030056001-n1.htm

2日の日本戦で韓国が先発メンバーを事前に提出した布陣から大幅に変更した問題で、全日本野球会議国際委員会の鈴木義信委員長は3日、主催者の国際野球連盟(IBAF)に抗議文を提出した。

 韓国は開始1時間前にIBAFに先発メンバーを提出したが、開始直前の両監督によるメンバー交換の際に先発投手や打順を大きく変更した。IBAFの規定にはメンバー交換のルールについて明文化されておらず、両監督による交換が正式なオーダーになるという。

 だが、決勝リーグ開幕前日に行われた監督会議では1時間前にオーダーを提出することを確認しており、鈴木委員長は「きちんとしたルールを作ってほしい」と要望。IBAFからは「申し入れを全面支持する。規則委員会を開いて善処したい」との回答があった。

http://sankei.jp.msn.com/sports/baseball/071203/bbl0712032102006-n1.htm

北京五輪アジア予選決勝リーグの日本−韓国戦で、韓国が事前に出したオーダーと全く違うオーダーを先発オーダーとした件について、星野監督を初めとする日本側は紳士協定に反する行為だと批判しています。日本側は今回の件で主催者の国際野球連盟(IBAF)に抗議しました。


一方、韓国の大手紙、朝鮮日報は日本の不満は無知によるものだという記事を掲載しています。しかし、IBAFが日本の申し入れを全面支持しているということですから、こんな主張は国際的にも通用しないでしょう。

2日、北京五輪予選を兼ねた野球アジア選手権の韓国対日本戦が終わった直後、日本の星野仙一監督は怒りを見せた。韓国が先発メンバーを大幅に差し替えたことに不満を漏らしたのだ。星野監督は「ビックリした。ルールブックにもないし、監督会議でも聞いたことがない。どうしてこんなことが起きたのか、説明してほしい」と語った。

 これに対し、キム・ギョンムン監督は「アマチュア規定が間違っている。1時間前に提出したオーダー表は、監督同士があいさつし、試合開始前の整列時にオーダー表を交換するまでの間に差し替え可能だ。うちの先発に対しあっちが対抗策を出してくるかと懸念し、先発を変えた」と説明した。果たしてこれは「先発オーダー偽装」という問題になるのだろうか。


◆試合前の状況


 試合前、キム監督は韓国の報道陣に先発メンバーをこっそり打ち明けた。キム監督は「先発投手は田炳浩(チョン・ビョンホ)、ラインアップ1・2番は鄭根宇(チョン・グンウ)と高永民(コ・ヨンミン)」と話した。日本の先発投手を成瀬と予想し、作成したオーダーだった。この話を聞いたのはオーダー表提出のかなり前だった。

 しかし、メディアに配られたオーダーは全く違っていた。先発は柳済国(リュ・ジェグク)、1・2番は李鍾旭(イ・ジョンウク)と李大炯(イ・デヒョン)だった。ア然とした。しかし、間もなくチーム関係者から説明があった。先発オーダー表は10分前まで変更可能で、先発は田炳浩が正しいということだった。そして試合には韓国の報道陣に公表されたメンバーが出場した。

 これに星野監督は「電光掲示板の名前と違う」としてしばらく抗議したが、受け入れられなかった。


◆なぜ誤解が生じたのか


 試合後、韓国野球委員会KBO)のイ・ジンヒョン広報チーム長は「提出10分前までオーダー変更が可能ということを監督会議の際に確認した。マネージャーはこのオーダー問題を不審に思い、この大会を主管する国際野球連盟IBAF)に繰り返し確認、IBAFは“1時間前のオーダーは予備エントリーなので変更可能”と答えた」と述べた。このため、韓国は日本のオーダー変更を警戒したのだ。先発投手が田炳浩ということが伝われば、日本も先発オーダーを変える可能性があるからだ。

 先発オーダー表に関するIBAFの規定は以下の通りになっている。両チームは5枚のオーダー表を作成、試合開始30分前(電光掲示板がある場合は慣例により1時間前)に2枚提出しなければならない。そして試合開始直前に審判が見守る中、3枚のオーダー表を交換することになっている。だが、あらかじめ提出したオーダー表は記録や電光掲示板での作業に便宜を図るためのものだ。やむを得ない事情があれば、最終的なオーダー表交換前までに変更できる。

 従って、韓国代表チームのオーダー変更には問題がなかった。星野監督の不満は、規定をよく知らなかったためのものだった。

http://www.chosunonline.com/article/20071203000055


思い起こせば、日本で「嫌韓」と呼ばれる韓国への批判が盛り上がったのは、2002年のサッカーワールドカップで、韓国側に有利な判定が相次いだ「誤審」問題が起こったり、韓国側のラフプレーが目立ったり、サポーターが日本のみならずあらゆる対戦相手国を侮辱するような行動を取ったからでした。今回の日韓戦での出来事は、その時のことを連想させます。このように韓国が「勝利のためならルールもマナーも無視する国」と思われていることが、「嫌韓」感情の根底にあることは間違いありません。確かに「嫌韓」感情には日本側の韓国・朝鮮に対する差別感情も入り込んできますが、それだけでここまで「嫌韓」感情が広がることはなかったでしょう。


朝鮮日報には、こんな記事も載ってます。

 韓国サッカーに対する愛情も深かった。代表チームを応援するためにフンドルまで来たというある市民は、「韓国サッカーがなぜオランダで愛されているか、ご存知ですか」と尋ねてきた。

 「韓国は恥知らずな反則をしない国だからですよ。真のフェアープレーの国です。ヨーロッパは、実力は優れているかもしれないが、ずるがしこい選手が多いんです。初めは韓国という国すら知らなかったが、2002年の時から気に留め、見守るようになりました」

http://www.chosunonline.com/article/20060602000055

もし日本でも「韓国は恥知らずな反則をしない国だからですよ。真のフェアープレーの国です。」と思われているのであれば、ここまで「嫌韓」感情が広がることはなかったでしょう。先のワールドカップや今回の日韓戦での出来事を見た日本人が「韓国は恥知らずな反則をする国。真のフェアープレーの国ではない。」と思ったからこそ、日本に「嫌韓」感情が根付いているわけです。
もし韓国が日本人からも「韓国は恥知らずな反則をしない国だからですよ。真のフェアープレーの国です。」と思われたいのであれば、今回の日韓戦の先発オーダー直前変更のようなことは、二度としてはいけませんね。