「相手の嫌がること」をする中国
北京で1日に開かれた日中ハイレベル経済対話でまとめられたプレスコミュニケ(報道文書)を中国側が一方的に書き換えて公表し、これに日本側が外交ルートを通じて抗議、訂正を求めていることがわかった。中国側が公表した文面からは、人民元の為替レート上昇に日本が期待を表明した部分などが削除されている。日本側は独自の中国語版の作成と公表を検討するなど異例の展開を見せ、福田首相の訪中を控える中で、中国側の対応次第では日中間の新たな火種にもなりそうだ。
いったん合意したプレスコミュニケの文面を一方的に変えて発表するのは極めて異例のことだ。
http://www.asahi.com/politics/update/1208/TKY200712080226.html
この件について、天漢日乗さんが、具体的に変更された部分を紹介しています。
ざっと
中国に舐められる福田首相 日中関係は春どころか→プレス・コミュニケで中国側が抜かした部分を探してきました: 天漢日乗
日中ハイレベル経済対話プレス・コミュニケ
の外務省の日本文と新華社の中文を並べて眺めて、
抜けているのが分かった部分
を
赤字
で示す。上が中国側の発表(中文)。
(二)中方認為,日本走出流動性過剰問題引発的泡沫経済的経験教訓値得借鑑。日方対中方増強人民幣匯率弾性的方針表示歓。
2.中国側は、過剰流動性によってもたらされた日本のバブル経済等の経験及び教訓が参考に値すると認識した。日本側は、人民元レートの柔軟性を向上させるとの中国側の方針を歓迎する一方で、人民元の実効為替レートのより速いペースでの増価を許容することに向けた中国の努力を期待する旨表明した。
(中国側明文なし)
14.日本側は、中国がエネルギー憲章条約に参加することの意義を指摘した。
不思議なことに、こうした
プレス・コミュニケ
は、両国とも同じ体裁で発表されるのが普通だと思っていたら
中国側は、編集した体裁で、項目分けや項目番号が日本側文書と比べて大幅にずれている
のである。要するに
抜かしたところを目立たなくするために再編集
したらしい。
こんなのアリ?
今回問題となった部分は、中国がこれまで絶対に譲れないとしていた歴史問題や台湾問題ではなく、為替や貿易・投資といった経済問題ですね。何故この程度の問題で中国がここまで強硬な態度に出てしまったのか、ちょっと不思議に思います。
個々の問題の軽重とは関係なく、強硬な「反○○」の態度に出ること自体が目的化してしまっているのでしょうか?だとすると、戦前の日本と同じ過ちを犯しかねないと思うのですが。
福田総理は外交では「相手の嫌がることはしない方がいい」という考えのようですが、このように向こうから「相手の嫌がること」をされてしまったときは、どういう対応をするんでしょうね?しっぺ返しでこっちもやられただけはやり返して、訪中延期などの挙に出るのか、それともいくら嫌なことをされても我慢するのか、どっちになるのでしょうか?