Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

国籍法改正反対騒動

最近、ネットや政界の右派勢力の間で、国籍法改正に対する反対運動が盛り上がっているようです。*1
この話については、産経新聞福島香織記者のブログが、必要性と問題点の両方を取り上げています。

■さて、国籍法改正のこの問題。実は政府もかなり微妙で難しい判断をせまられているのだと思います。反対、賛成というふうに白黒つけるのは、私自身も相当悩ましいところです。
■なにが悩ましいか。改正によって救われる子供は確かにいる。しかし、救われない子供も新たに出てくる、という点でしょうか。
■国籍法がどう変わるかということですが、要するに日本人男性が認知すれば、外国人女性の生んだ子供は誰でも日本国籍を取得できる、ということになります。
■今年6月4日に、フィリピン女性婚外子国籍訴訟で、外国人女性が日本人男性との間に生んだ婚外子(結婚せずに男女関係をもって生まれた子供)に日本国籍が与えられない現行の国籍法は、憲法に規定される法の下の平等に反し、違憲であるという最高裁判決がくだされました。
■現行法に違憲判決が下された場合、これはサクサク法改正をせねばなりません。現行の国籍法では、外国人女性が日本人男性との間にもうけた子に日本国籍を取得させる場合、?出生前に、父親(日本人男性)が「自分の子」と認知すること。?もし認知する前に子供が生まれた場合は、両親の婚姻関係と出生後認知の両方が日本国籍取得の必須の条件となることが定められています。しかし、この?の両親の婚姻条項が、違憲にあたるとして、改正案ではこの婚姻条項が削除され、父親の認知のみで日本国籍が与えられるようになります。
■しかし、父親の認知だけで日本国籍が取得できるなら、中には日本人男性などに違法に認知料を払って国籍を買おうとする輩もでてきましょう。日本の国籍は末端市場価格で200万〜300万円くらいでしょうか。え?国籍って売買できるの、という方。できるそうです。そういう闇マーケットがありブローカーが存在するのは確かです。実は、命も臓器も子供も女性も売買されている。直接潜入取材したことはありませんが、そういう世界が私たちの知らぬところで広がっている、という情報は2段階くらい間接的に聞いています。

http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/804119



法律の改正案と、改正対象の条文は、こんな内容です。
つまり、従来は嫡出子でないと日本人の父親の子であっても日本国籍が認められなかったのに対し、これからは父親の認知さえあれば、非嫡出子であっても日本国籍が認められるようになるということですね。

第一七〇回

閣第九号

   国籍法の一部を改正する法律案

 国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。

 第三条の見出し中「準正による」を「認知された子の」に改め、同条第一項中「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した」を「父又は母が認知した」に改める。

 本則に次の一条を加える。

 (罰則)

第二十条 第三条第一項の規定による届出をする場合において、虚偽の届出をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g17005009.htm

(準正による国籍の取得)
第三条 父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で二十歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
   2 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

法務省:国籍法



反対派のまとめWikiによると、彼らが懸念する内容は以下の通りです。父親が認知すれば日本国籍が与えられるというところから、例え親子関係が嘘であっても、フリーパスで日本国籍が認められてしまうのではないかと危惧しているようです。*2

国籍法改正案って何?


2008年6月の最高裁にて、現行法の国籍法3条1項が憲法14条の法の下の平等に反するとして違憲判決を下したことから端を発しています。


その結果、国籍法・改正案は
日本人男性に認知してもらうだけで、婚姻関係の無い外国人女性との間にできた子供に対しても、・・・ 本人たちがそうだと名乗れば誰にでも ・・・日本国籍を与えることができる。 (結婚要件の撤廃)


発展途上国を含む海外の人間 ” 誰でも日本人になれてしまう ”法律となってしまいました。


問題点

  • DNA鑑定等の科学的根拠が不要(DNA鑑定を設けていないの)で、日本国籍の取得が容易かつ無制限に可能。
  • 扶養事実の確認がなく、母から請求が無ければ扶養義務もないため、父は100人でも子作りできてしまう。妻子には月約20万円の生活保護等が支給されるので、父は養育費を1円も支払わなくて済む。
  • 出生後に認知された「子供」にも国籍を付与される = 満19歳で認知 → 国籍取得も可能   【補足 子供の定義:父又は母が認知した子で二十歳未満のもの】
  • 罰則が20万円以下の罰金、懲役1年以下とかなり緩やかで、抑止効果は無きに等しい
  • 科学的根拠に基づく証明手段がなく、自己申告である認知と聞き取り調査のみなので虚偽の申請を見抜く確実な方法が無い



   → 実の子でない者を認知することは出来ないので、その場合の国籍申請は虚偽の申請にあたります。 しかし、実の子でないことを証明できる手段(DNA鑑定など)が義務付けられていない・・・ということは。


結果:本改正案の悪用を防止することはかなり困難。

  • 人身売買・児童買春などの悪質な犯罪に利用される可能性が高い。
  • 本来日本国籍を持つべきでない者に対してまで不用意に国籍を付与するため、治安の悪化、国防を脅かす恐れも大。(日本にはスパイ防止法が無い)
  • 真面目に収めてきた税金や年金を、不適当な者(偽装認知で国籍を取得した者とその家族など)(※1)の生活保護のために使われるのではないか、という懸念を残念ながら持たざるを得ない


http://www19.atwiki.jp/kokuseki/pages/52.html



ただ、彼らの主張については、完全にフリーパスなんてことがあるのかという疑問を抱かざるを得ません。
日本は外国人の国籍取得に厳しいですから、かなり厳重にチェックされるのではないかと思うのですが。
実際、反対派の批判を受けて参院で検討されている付帯決議では、以下のようなことが検討されているようです。
このうち、半年ごとの施行状況報告やDNA鑑定導入検討は、反対派の意見を容れる形になってますが、父親への聞き取り調査や出入国記録の調査、様々な書類の提出は、付帯決議がなくても、法務省通達という形で行われることになったのではないかと思います。

 参院での採決が先送りされている国籍法改正案について、与野党参院法務委員会理事は27日、「半年ごとの国会への報告」などを盛り込んだ付帯決議案に合意した。懸念されている偽装認知を防ぐために、同委に半年ごとに施行状況を報告することを求めるほか、DNA鑑定導入の「要否及び当否を検討する」としている。

 決議案が固まったことで、改正案は早ければ来月2日の委員会で付帯決議とともに採決され、3日にも参院本会議で可決・成立する見通しとなった。ただ、自民、民主両党内には慎重論がくすぶっており、民主党は週明けに党内向けの説明会を開いて改正に理解を求める方針。

 付帯決議案はこのほか、父親への聞き取り調査の「可能な限りの実施」、出入国記録の調査なども求める。聞き取り調査では、父親の出生から現在までの戸(除)籍謄本、子の出生証明書、分娩(ぶんべん)の事実の記載がある母子手帳、母子の外国人登録原票の写しなど11点の資料提出などが想定されている。詳細は法務省が省令改正や通達で対応する。

http://www.asahi.com/politics/update/1127/TKY200811270319.html



あと、この制度による偽装認知が、犯罪者にとってどの程度使いやすいのかという問題もありますね。
この問題については、以下の記事が詳しく説明しています。

質問者:匿名希望


 国籍法の改悪反対で議員が立ち上がったそうです。
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/795468
 マスコミが沈黙しているなか、危険な法律で日本が性奴隷とテロリストと三国人のせいで崩壊するらしいです。
 心配で夜もねむれません。どうにかしてください!


回答者:いしけりあそび
どんな人:専門家
自信:自信あり


 スペイン語を読める人からは「おかしな議論に巻き込まれたくないから、メレンゲ紹介するよ」っていってたくせに! といわれそうですが、まあそこはアッチいったりコッチいったりの「いしけりあそび」ですから。あなたの安眠のためにひとはだ脱ぎましょう!


 国士の皆さんがご心配されているのは、要するに虚偽の生後認知により子が国籍を取得して、母がそれを滞在の理由にしようとする場合ですから、そこから説明しましょう。
 まず、実際に法改正で虚偽認知の可能性が広がるのは、子どもが産まれてかなり時間が経っている場合に限られるでしょう。というのも、現行法でも、胎児認知をした場合は国籍法2条の規定にしたがって法務局での審査なしに日本国籍は取得するのですから、最初からその気なら、胎児の段階でさっさと虚偽認知をしてしまえばすむからです。
 次に、母が海外にいる場合は、むずかしいでしょう。というのも、認知された子の母は自動的に在留資格が与えられるわけではないからです。認知された子の母の在留資格は「定住者」(入管法別表第2)、その解釈上の根拠は平成8年7月30日付法務省入国管理局長通達「日本人の実子を扶養する外国人親の取扱いについて」です。この通達の解釈上、日本人の実子とされる子が外国で養育されている場合は、外国人親が日本で生活しなければならない理由、本国における日本人の実子の監護・養育の実績及び引き続き日本で監護・養育が行われることの立証が必要です(「国際人流」1996年10月号32頁)。つまり、国籍取得届の段階で、認知の真実性が審査され、さらに母の在留資格の手続(在留資格認定証明書交付申請)の段階で、認知の真実性(母の在留の根拠は認知された子の養育ですから、現在の実務でも、この点を入管では普通に審査しています)に加えてあれやこれやを調査するわけです。認知をした男性の渡航歴を参照されたり、父母別々に、知り合った経緯や交際の状況などをインタビューされれば、虚偽の認知をつらぬき通すのは難しいでしょう。
 さらに、日本に滞在している場合であっても、母に在留資格がある場合は、子についても在留資格が与えられるのですから(上記「定住者」に関する平成2年法務省告示第132号の第6号)、社会福祉に関する国籍条項が法令ないし運用上ほぼ全廃されている現在では、虚偽認知をしてまで日本国籍をとらせる動機がありません。
 また、在留資格がないまま日本に滞在している外国人母が産んだ外国人父の子であっても、外国人父に在留資格がある場合で、結婚の可能性があれば、現在の実務では婚姻を理由に在留特別許可(入管法50条1項4号)が比較的容易に取得できるのですから、虚偽認知などという危ない橋を渡るバカはいません。
 さらに、これは確立した実務ではなく、まだ流動的な面もあるのですが、結婚の可能性がない場合でも、外国人父に在留資格がある場合は、外国人父の在留資格次第では、母と子には在留特別許可の可能性があります(上記の平成8年7月30日通達は、在留資格変更に関するものですが、在留特別許可にも実務上準用されています。なおこの場合子の日本国籍の有無は問題にされていません。)。これはわたしの著書の84ページの注釈で紹介しています。したがって、この場合もやはり虚偽認知の可能性は低いでしょう(なお、子については出生後30日以内であれば在留資格取得申請で正当に在留資格を取得することも可能です。)。
 とすると、この度の法改正で、虚偽認知が問題になるのは、いずれも在留資格のないまま日本に滞在する外国人父と外国人母の間に生まれた子で、子が出生してからある程度経過しているケースに限られます。
 ただですね、ここまで読めばわかると思いますが、実は単に在留だけを問題にするのであれば、上記の平成8年7月30日通達で、虚偽認知がばれなければ、これまでも在留特別許可は取得できたのです。改正法の施行後は、日本人から認知された子を養育している母が、国籍取得届を出さずに入管手続だけをしていると「なんで子の国籍取得届しないの?」と怪しまれますし、入管だって届出さえすれば国籍が取得できる子を退去強制手続に載せるのは仕事を増やすだけですから、国籍取得届を出さないと、在留特別許可の手続は進まないでしょう。要するにですね、今後は、いわゆる「定住母子」の事件は、入管と法務局の双方の審査を受けなければならなくなるので(手続がめんどうな分、認知をしてくれる人もみつけにくくなるでしょう)、虚偽認知で滞在をもくろむ人からすると、かえってめんどうなことになったのです。まあ、インターネットにでまわる法案に対する理解をみる限りは、簡単になったとカン違いしてチャレンジするおっちょこちょいもでてきそうですが。
 なお、わたしは在留資格に関してはたくさんあつかっているので〜数えたことはありませんが、500とか600じゃないですよ〜仕事がら、虚偽認知の事件も偽装結婚の事件も知っています(もちろん、自分では扱いませんよ。入管にとっては「出入りの業者」なもんで信用第一でやらせていただいています。)。でも、ばれずにきている偽装結婚はいくらか知っていますが(この場合は子どもは嫡出子として日本国籍が取得できます)、虚偽認知でばれずに在留資格を取得したケースは、世間に皆無とは断言しませんが、1件も知りません。認知は婚姻とちがって同時に複数できるものの、とりあえず現時点で同居のふりだけしていればいい偽装結婚にくらべて、過去の経緯も調べられるので、偽装で通すのは難しいのです。結婚とちがって解消も容易ではありませんので偽装の相手もみつけにくいです。例の裁判でも、国は偽装認知のおそれを指摘していましたが、週刊朝日の記事が証拠として提出された以外に、具体的な事例はまったく示されませんでした。

http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/55815187.html



つまり整理すると、以下のようになるようです。

  • 子どもが産まれたばかりの場合 → 生まれる前に胎児認知が可能 → 虚偽認知のメリットなし
  • 子どもが産まれてかなり時間が経っている場合
  • 母が海外にいる場合 → 法改正後、子供が日本国籍を得ても母親には理由がなければ在留資格は与えられない → 虚偽認知のメリットなし
  • 外国人母が国内にいる場合
  • 外国人母に在留資格がある場合 → 子供も在留資格が与えられる → 虚偽認知のメリットなし
  • 外国人母に在留資格がない場合
  • 外国人父に在留資格がある場合
  • 結婚の可能性がある場合 → 婚姻を理由に在留特別許可が比較的容易に取得できる → 虚偽認知のメリットなし
  • 結婚の可能性がない場合 → 外国人父の在留資格次第では、母と子には在留特別許可の可能性がある → 虚偽認知のメリットなし
  • 外国人父に在留資格がない場合 → 虚偽認知のメリットあり。ただし、母親の在留特別許可の段階で、子供の国籍についてもチェックされる。

だから、子供だけを母親から切り離して日本に連れてくるのでない限り、この虚偽認知は使えないということになりますね。母親を違法に連れてくるのであれば、偽装結婚の方が使い手は良いでしょう。


このように考えると、今回の国籍法改正で「誰でも日本人になれてしまう」というのは、さすがにあり得ないのではないかと思います。
どうも今回の反対運動は、あり得ないことを大げさに言うという点で、以前行われた人権擁護法反対運動に似ているように思います。もっとも人権擁護法は法律そのものの必要性にも疑問があったので未だに先送りされてますが、国籍法改正については最高裁違憲判決を受けてのものなので、付帯決議とともにさっさと通ってしまうのでしょうね。
今後、反対派が行うべき事は、半年ごとに行われる施行状況報告をチェックすることなのでしょう。そこまで息の長い活動を行えるかどうかが反対派には問われているのでしょうね。

12/3追加

この国籍法改正案が人身売買(特に幼児売買)に繋がるのではないかという懸念がリベラル派や左派の一部にあるようですが*3、その懸念を否定する記事を、昨日紹介した「いしけりあそび」さんが書いていました。
こっちの懸念についても、「誰でも日本人になれてしまう」と同様、実際に起こる可能性はほとんどなさそうですね。

まず15歳以上の人身売買編。


 いちおう、この問題に関する経験をおはなしすると、私と私のスタッフは、人身売買といわれる事件を、たくさんあつかってきました。
 正確に数えたことはありませんが、日弁連でこの問題に関するレポートを書くことになった際に、1999年から2004年までの事件数をカウントしたところ、コロンビア人だけで42人。具体的に手続に進むに際しては、ひとりあたり7〜8時間はかけて聞き取りをしてるんで、当事者の身の上話を、トータルでどのぐらい聞いてきたことになるんでしょうかね。まあ、最近は激減しましたけど。
 もちろん、いきがかり上、業者の連中も知っています。2003年6月にボゴタで逮捕されて、現地で大々的に報道された元締めの女性がいるのですが、彼女は元人身売買の被害者だったので、そのころは、私も相談を受けていました。
 

 ところで、観光ビザで女を入れるケースは山ほどみていますが、認知を利用した人身売買って、正直、みたことも、きいたこともないです。
 あたりまえでしょ。だって業者が女におしつける「借金」は400〜600万円、業者の管理下にある女の場合はかせぎが50万円前後、10万円程度が生活費でさしひかれ、したがって返済にかかる期間は順調にいって10ヶ月〜1年程度(女を売春婦としてはたらかせるにはおのずと期限があるので、だいたいどれもこんなかんじになる。)、そこからあとはポイ捨てなのに、わざわざ認知を戸籍に記載して、足がつくようなマネするバカいるわけないじゃん。
 そもそも、どの業者も、上陸と同時に旅券や身分証明書を取りあげて、マニージャ(manilla=スペイン語で「手錠」、転じてその筋のスラングで「監視役」)つけてがんじがらめに管理しているのに、なんで国籍法が改正されたら法務局に出頭して女に日本国籍を取らせたがるようになるんですかね。ヘタすればその場でさわがれてつかまるし、運よく国籍がとれたらその女、逃げちゃうじゃないですか(笑)。


  ●


 次に幼児売買編。


 こっちは実際の事件は知りませんが、田中康夫(ゴメン、オレこの人に敬称つけられないわ)がスゴークおかしなこといってるのはわかります。


 田中康夫いわく「罪無き子供を奈落の底へと突き落とす蓋然性が極めて高い。当初から偽装認知奨励法にほかならぬと懸念されていた本法案は、人身売買促進法、ないしは小児性愛ペドフィリアと呼ばれますが、小児性愛黙認法と呼び得る危険性をはらんでいると思います」。


 父から認知された非嫡出子に国籍を認める、その際にDNA鑑定を義務づけない、なんて血統主義を取る国ではどこでも採用している法制度をつかまえて「人身売買促進法」だの「小児性愛黙認法」がどうのなんて珍説、そもそもまともに相手にするのか迷うところですし(こんな説を国会議員が語っているなんて外国に知れたら、みっともなさは“waiwai”どころじゃないぞ!)、入国管理のいろはも知らない、というより社会人としての常識もないひとの発言から、どういう事態を想定しているのかを予想するのは、実はプロにとってはかなり難しい作業なのですが、気を取り直しましょう。
 要するに、他の国では問題なくても、日本人はおかしな奴が多いから、小児性愛者が、幼児を性的に搾取する目的で認知して、日本に連れてくる、あるいはそういう小児性愛者のために、業者かその関係者が認知して、日本に連れてくるっていいたいの?


 でもですね、タナカセンセイ、いままでだって認知された子は日本人の子として在留資格「日本人の配偶者等」でちゃんと日本に上陸できるわけですよ。で、性的搾取をする目的でわざわざ認知をして、日本に幼児を連れてきたなんてニュース(実話ナントかはダメよ)、1件でもきいたことあります?


 あるわけないです。子どものホームレスもおらず、義務教育就学率ほぼ100%の日本で、性的搾取の目的で外国人の子どもを上陸させるなんていうのは、あまりにも危険すぎるからです。
 百歩ゆずって、そういうことするチャレンジャーがいたとします。では、性的搾取の目的で子どもを上陸させるとして、観光ビザ、偽日系人(三世か四世)、偽養子、ほんものの養子などいろいろあるのに、なんで日本人の実子として戸籍を作成させるなんていうもっとも犯人が特定される危険の高い方法を選ぶのですか? そうした子どもについて、外国人登録をしないで所在もわからないように隔離できるのに、なんで国籍とらせて住民票基本台帳に記載させて役所から就学通知書や予防接種の通知が来るようにしたいのですか?
 性的搾取の目的で認知して連れてくるなんてひとはまずいないです。ましてや偽認知で戸籍までつくろうなんてひと、想像もできません。だからこそ、そういう最低なことしたい人は、東南アジアなどの発展途上国に買春しにいったりするのです。

http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/55815187.html

*1:政界では平沼赳夫衆院議員が中心のようですね。(参考記事)http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081120/plc0811201947010-n1.htm

*2:そんな危惧が行き着くところまで言ってしまうと、この城内実衆院議員のような考え]になってしまうようです。しかしURLが「バカは死ななきゃ治らない」とはねえ。w http://www.m-kiuchi.com/2008/11/11/bakawashinanakyanaoranai/

*3:田中康夫議員が言っているようですね。