クルーグマン関係まとめサイトと個人的雑感
最近、アメリカの経済系ブログでは、ポール・クルーグマンの発言を巡って議論が白熱しているようで、日本の経済系ブログでもそれが取り上げられています。
僕もそれらの記事を追っかけてきたのですが、そろそろこんがらがってきたので、整理のためにリンクをまとめてみました。
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これらの記事を一通り読んで思ったのですが、やはりクルーグマンの考えは分かりにくいですね。
その理由を考えたところ、結局、この発言の解釈なのかなあと思いました。
結論はこうだ。もし短期金利がゼロになると、現金は短期債務の完全な代替物になる。そしてマネーサプライをいかに増やそうとも、債務もまったく同じだけ増加することで、すべての効果は打ち消される。まる。以上。
クルーグマンの結論 - I 慣性という名の惰性 I
確かに中央銀行は別の政策もできる。たとえば長期債券やリスクのある資産を買ったりね。そしてこの対策は効果を持つ。でも、それは中央銀行が民間セクターのリスクを肩代わりしてあげることによるものだ。マネーサプライの増加とは本質的に一切無関係だ。
長期債券やリスクのある資産を買うことは効果があるが、マネーサプライの増加とは本質的に一切無関係である、という考え方からは、長期債券やリスクのある資産を買うことではインフレターゲットは達成できないという結論が導かれるので、
僕の意見は(別にわかりにくいこと言ってるつもりはないんだけどな)、流動性の罠は実際に起きてる。Fedがいくらマネタリーベースを増やそうが効果はない。なぜなら金利ゼロの資産をほかの金利ゼロの資産に振り替えているだけだからだ。もしFedが2%より高いくらいのインフレターゲットに信頼できる形でコミットして、それをみんなが信じたらという前提つきならマネタリーベースを増やすというのも効果があるんだけどね。でも今現在、僕はこれは現実的な選択肢だとは思ってないし、だから財政政策や銀行への資本注入を強調してるんだ。
しかーたがないのでお手紙書いt(ry - I 慣性という名の惰性 I
という結論が出てくるのでしょう。
ただ、クルーグマンは、現金が長期債券やリスクのある資産の完全な代替物になるとまでは言っていないので、これらを短期債務と同様には考えていないと思われます。そうなると「マネーサプライの増加とは本質的に一切無関係だ」という考え方がどこから出てくるのかがあいまいになってしまうように思います。そうなるとインフレターゲットを「現実的な選択肢だとは思ってない」理由が分からなくなってしまうんですよねえ。
僕の考えは、この部分で引っかかったままになっています。