Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

民主党でもマニフェストにリフレ政策採用の動き

前回は自民党のリフレ政策について書きましたが、今度は民主党もリフレ政策に向けた動きが出ているようです。

  4月21日(ブルームバーグ):民主党参院選で掲げるマニフェスト政権公約)策定をめぐり同党の「成長・地域戦略研究会」(大畠章宏衆院国家基本政策委員長)が検討している提言の「たたき台」の内容が明らかになった。デフレ脱却に向けた政府による数値目標の設定や政府と日銀の連携の必要性を明記したのが特徴。
  「たたき台」は20日夕に国会内で開かれた研究会の役員会で配布された。研究会は今後、詳細を詰めて5月10日までに上部機関の「マニフェスト企画委員会」に提言する。その後、民主党は、鳩山由紀夫首相を議長とし、小沢一郎幹事長、菅直人副総理兼財務相らで構成する政権公約会議で、同月末までにマニフェストの最終案をまとめる。
  金融政策に関連して「たたき台」は、「政府はデフレ脱却に向けた数値目標を示し、日銀がアカウンタビリティを発揮しつつ自律的かつ果断に金融政策の運営を行えるよう、政府と日銀とが連携をとれる場を確保する等、必要な環境を整える」と明記した。
  民主党内では、有志でつくる「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」がまとめた提案で、政府が物価等の適正水準について数値目標(消費者物価指数対前年比2%超など)を決定し、日銀がその達成に努めるなどの方策を提唱。菅財務相も20日の衆院財務金融委員会で、「インフレターゲットは魅力的な政策だと思っている」と述べた上で、消費者物価に関してプラス1−2%程度を実質的な目標とすべきだとの考えを示した。


民主:デフレ脱却へ数値目標、政府・日銀連携を―公約素案(Update1) - Bloomberg.co.jp 民主:デフレ脱却へ数値目標、政府・日銀連携を―公約素案(Update1) - Bloomberg.co.jp



この「デフレ脱却に向けた数値目標」というのが、消費者物価指数(CPI)やGDPデフレータなどの目標を示すインフレターゲットなのかどうかはまだはっきりしないのですが、最近の民主党では「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟(デフレ脱却議連)」の活動など、インフレターゲットの導入に向けた機運が高まっているのは確かです。
この「たたき台」がマニフェストになったとき、食品とエネルギーを除いた消費者物価指数であるコアコアCPIで2%以上の水準のインフレターゲットと、政府と日銀のアコードとして明記されることを期待します。


このデフレ脱却議連については、このブログではつい取り上げるのを忘れていたのですが、3月末に結成されました。参院議員の金子洋一氏のブログ*1で、活動内容が紹介されいます。
すでに130人ほどの議員が参加していて*2、この「成長・地域戦略研究会」でも積極的に働きかけているようですね。
今後のデフレ脱却議連の活動に期待し、「成長・地域戦略研究会」の動きに注目していきたいです。

 [東京 13日 ロイター] 民主党の有志議員による「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」(会長:松原仁衆院議員、顧問:池田元久衆院議員)は13日、参院選マニフェスト政権公約)に反映させる要望案について議論した。同要望案では、デフレ脱却に向けたインフレターゲットの導入など日銀に大胆な金融政策運営を求めている。為替に関する表現など一部を修正した上で、14日にも最終とりまとめを党の国会対策委員会などに提出する予定。

 要望案は、デフレからの完全脱却に向け、金融政策と財政政策のあらゆる手段を一体的に駆使して「総合デフレ対策」に取り組むとしている。

 具体策として「思い切った金融緩和の実行・継続」を挙げ、金融政策運営に当たっては、政府が消費者物価指数(CPI)の対前年比2%超など物価水準目標を設定し、それに基づいて日銀が「政策手段を独自に選択し、数値目標の達成に努める」ことを求めている。

 さらに、金融政策の目標について「雇用の最大化(失業の最小化)」の明記を要請、大胆な金融緩和の実行に向けて「必要となる抜本的な制度改革」にも言及している。

 為替については「貿易・金融に過度の歪みが生じないよう、購買力平価を参考として、1ドル=120円前後を目安に、相場が適切な水準を保つよう最大限の努力を行う」ことが盛り込まれたが、13日の会合で「1ドル=120円前後」の記述に対し、「現在の水準からかい離が大きい」などの指摘があり、表現を弱める方向で修正することとなった。それ以外の項目について、特に異論はなかったという。

 要望案では、財政政策についても集中的な投入を求めており、「経済の底上げ効果のある財政政策を実行し、特に企業の資金調達を円滑化するための制度融資などを大胆に行う」ことを盛り込んだ。

 デフレ脱却議連には、衆院を中心に民主党議員130人程度が参加している。 


UPDATE2: デフレ完全脱却に物価目標など大胆な金融政策求める=民主党議連の政権公約要望案 | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters UPDATE2: デフレ完全脱却に物価目標など大胆な金融政策求める=民主党議連の政権公約要望案 | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters

 [東京 22日 ロイター] 民主党の「成長・地域戦略研究会」(会長:大畠章宏衆議院議員)は22日午後、参院選マニフェスト政権公約)に向けた素案を同研究会の会合に提示した。

 「デフレを克服し、成長を促す戦略」として、金融のあり方について「デフレの克服を目指し、政府は日本銀行と一体となって、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向けて取り組む」との項目を盛り込んだ。このほか、財政運営では、財政健全化目標についてプライマリーバランス基礎的財政収支)の黒字化や債務残高対GDP比の引き下げを明記、法人税率の引き下げや所得・資産課税の見直しなど、経済状況の好転を前提として消費税を含む税制の抜本的な改革を行うことも明示した。

 同研究会は、参院選マニフェスト策定に向けて民主党内に設置された3つの研究会のうちの1つ。今後、同素案をたたき台に議論を行い、マニフェストの素案をとりまとめる政府・民主党の「マニフェスト企画委員会」に対して5月10日に報告書を提出する。

 22日の会合では、デフレ克服に向けて政府・日銀が一体となって早期の物価プラス転換に取り組むとの項目について、同党の「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」(デフレ脱却議連)のメンバーらを中心に修正を求める声が相次いだ。

 デフレ脱却議連は、14日に「成長・地域戦略研究会」に対し、デフレ脱却に向けた財政・金融政策の集中投入や、日銀に対してインフレターゲットの導入を求める提案を提出している。

 同議連の松原仁会長(衆議院議員)は、研究会の会合で、議連の提案に盛り込んだ、

1)政府が消費者物価指数(CPI)の対前年比で2%超の目標を設定し、日銀が独自の政策手段で目標達成に努める、2)為替について、OECD調査の2007年の購買力平価である1ドル=120.3円を目安とする──という2つの数値目標を明示するようあらためて要請。

 同議連の宮崎岳志事務局長(衆議院議員)も、今回の素案は「(議連の要望に対して)ゼロ回答だ。再考をお願いしたい」と強調。インフレ目標の導入や金融政策の目標に「雇用の最大化」を明記するよう指摘し、「デフレ脱却に対する強い決意を示さなければならない」と強調した。

 この他の議員からも、デフレ脱却に向けてさらなる金融政策の展開をマニフェストに盛り込むよう、指摘が相次いだ。研究会では、こうした意見も踏まえ、あらためて28日の研究会に修正案を提示する。 


政府・日銀一体で早期の物価プラス転換に取り組む=民主公約素案 | Reuters 政府・日銀一体で早期の物価プラス転換に取り組む=民主公約素案 | Reuters

*1:http://blog.guts-kaneko.com/

*2:民主党国会議員は衆参合わせて423人なので、全議員の3割程度が参加していることになります。