Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

大震災後の日本の動きについて

3/11に宮城県沖でM9.0の巨大地震が発生し、東北と関東の太平洋側は地震津波で壊滅的な被害を受け、現時点で死者・行方不明者が2万人以上という大惨事となりました。また、この地震津波の影響で福島第一原発では大事故が発生し、今もこれ以上の事態の悪化を食い止めるため、決死の作業が続いています。関東・東北では電力供給が不足したため、輪番停電が実施され、生活や経済活動に大きな影響を与えています。地震によるインフラの寸断や政府の対応のまずさもあって、被災地では物資やエネルギーが不足し、多くの被災住民が苦しい生活を送っています。特に事故が発生している原発の周辺では、救援活動や被災者の避難・物資供給も満足に行われていない状況です。


この大震災で亡くなった方々の冥福をお祈りします。また、被災された方々の生活が少しでも良くなるよう願っています。


この未曾有の状況で、菅政権の退陣や総選挙を求めて政府を攻撃していた野党も姿勢を転換させ、政府の震災対策や原発事故対策に協力することになりました。ただ、これまでの主張を完全に取り下げるわけにも行かず、来年度予算案や予算関連法案、復興のための補正予算などが成立する目処は立っていません。
また原発事故についても、政府や東京電力が正しい情報を開示していないのではないか、初動の対応を間違えたのではないかという批判に晒されています。


このように日本への信頼が音を立てて崩れていったかに見える現状ですが、円相場は一時1ドル76円台まで急騰し、協調介入が実施される事態になりました。また、国債金利が急上昇することもありませんでした。株価が暴落したのとは対照的です。
円や国債が暴落する可能性があるのであれば、今こそそれが起こっても不思議ではないはずなのですが、そうはなりませんでした。つまり、円や国債の相場はあくまでも通貨や国債の需給、もしくは需給の予想(投機もその一部)によって動くのであり、通貨や国家への信頼が直接相場に反映するのではないということが実証されたということになります。ただ、そのような信頼が需給を通して間接的に反映する可能性は否定できないので、今後はそのような動きがあるかもしれないのですが。


また、震災後の復興には数十兆円規模の予算が必要になりますが、その財源を巡る動きも始まっています。こちらはこれまでの消費税増税やリフレ政策を求めていた主張が、そのままそれを復興財源にしようという主張になっています。
震災直後に自民党の谷垣総裁が増税を提唱しましたが、これは政府によって否定されました。その後、政府が谷垣総裁の入閣を要請しましたが、こちらは自民党側が拒否しました。菅総理も谷垣総裁も増税論者ではありますが、これまでの政治的な対立を乗り越えて協力するのはなかなか難しいようです。
また、リフレ派の間では、国債の日銀引き受けによって10兆〜20兆円規模の復興財源とする案が提唱されています。こちらはみんなの党民主党自民党のリフレ派議員に支持され、説得工作が進められているようですが、今の政府がリフレ政策に否定的なことが障害になっているようです。
ただ、これ以外に妙案があるわけでもないので、政治の焦点が被災後の復興に移るときには、この財源問題が大きな問題となるのは間違いありません。その時は増税派とリフレ派が政党の垣根を越えて対立するのかもしれません。