Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

北方領土、独立を宣言

[クリリス*1 1日]本日、択捉島国後島色丹島歯舞諸島から成る南クリル諸島は、「南クリル共和国」として独立を宣言した。同時に大統領選が行われ、初代大統領に南クリル友愛党のゴールーピー氏が就任した。首都は択捉島のクリリスクに置かれる。
 南クリル諸島は1945年にソ連によって日本から解放された地域であるが、今でも日本は「北方領土」と称して領有権を主張している。この状況に心を痛めたゴールーピー氏は南クリル友愛党を結成し、プーチン大統領との交渉の結果、独立を認められた。
 南クリルの人々の総意によって独立が達成されたことで、日本の領有権主張は根拠を失うことになる。ゴールーピー大統領は日本に対し、独立の承認と国交樹立を呼びかける声明を発表した。
 この声明に対して日本のハトヤ元首相は、「南クリルの人々の総意によって民主的に独立が決定され、ロシアが独立を承認したことで、北方領土問題解決への道が開かれた。日本政府も南クリル共和国の独立を承認し、北方領土問題を解決させるべきである。必要ならば私自身が政府特使として南クリル共和個を訪問し、外交交渉に当たりたいと思う。また個人的にも南クリル共和国との民間交流を活発に行い、南クリルを平和の島、平和の海とすることに貢献したい」と、歓迎のコメントを述べた。


南クリル、独立を宣言 - オソ・ロシアの声

この「南クリル共和国」というのは、併合前のクリミアやウクライナ東部のドネツク、ルガンスクの「共和国」、モルドバ沿ドニエストルグルジア南オセチアアブハジアと同じく、ロシアの影響力の元に作られた「国家」だと思われます。ロシアはこれまで紛争状態にある他国の領土の一部を「独立」させるという方法を取っていましたが、今回は自国が支配している地域を「独立」させることで、ロシア影響下の国家として国際的に認めさせようという、新たな外交的方法を採用しました。
もちろん日本政府がこの「国家」を認めることはありませんが、中国など日本と対立している国がこの「南クリル共和国」を認めると、外交的に難しい状況になります。またこの記事の元首相のように、日本国内でも「南クリル共和国」の承認を求める勢力は出てくるでしょう。
今回の「独立」はロシアが打った外交的奇手ですが、日本としては対応が難しい状況に追い込まれたと思います。

*1:「クリリスク」とは、択捉島の紗那のロシア名です