Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

郵政民営化について思ったこと

ここ何週間か、郵政民営化が本当に必要なのか、そもそも郵政事業の状況は本当はどうなってるのかについて、いろいろなサイトを見てました。その中で特に参考になったサイトは、bewaadさん馬車馬さんfinalventさんぐっちーさんといった方々のページです。しかし、色々調べていく内に、マスコミが全然言っていないことが実は重要ではないかと思うようになりました。
まず思ったのは、そもそも2001年に財投改革が行われて、財務省による預託が廃止されたのに、何故再び改革が必要かということでしたが、この疑問については、馬車馬さんとbewaadさんの記事が参考になりました。馬車馬さんの記事によると、郵貯簡保の利益の多くは財投の預託金の運用で高い利子(7年満期なのに、10年満期国債の利率+0.2%を基準としている)を得ていたためであり、この預託金は財投改革によって2007年までに廃止されるということでした。また、bewaadさんの記事によると、現在の定額貯金では10年ものの金融商品に3年ものの金利しか付されていないため、郵貯の残高も減っているということでした。いずれも郵政事業にとっては大きな減収要因でしょう。郵政民営化が進められているのは、恐らくこれに変わる収益源を見つけるために郵貯簡保事業の縛りを無くそうということだと思います。しかし本当にそんな収益源が見つかるのでしょうか?
財投改革までの郵政事業は財投の預託金の運用を収益源としていました。財投の高い利子は、言わば政府による形を変えた補助金とも言えます。そんな風に利益を国によって保証されてた郵政事業が民営化されたところで、簡単に利益を得られるのか、私には疑問です。とは言え、民営化しなくても収益源が得られるわけでもないのですが。
こう考えると、選挙で郵政民営化賛成・反対で大騒ぎしているのが空しくなってきます。結局、長い目で見れば郵貯簡保は縮小して、やがては廃止されるのではないかと思います。そのときは、bewaadさんが提案したような国債で代替する案も検討されるのでしょう。この騒ぎもそこに至る一里塚ではないでしょうか?