リフレ派の悪癖
昨日の記事についてid:fhvbwxさんから頂いた意見を読んで考えたことなのですが、一般的にリフレ派の論者は、論争相手をやりこめようとする余り、あまりに極端な例を出しているのではないでしょうか?
例えばバーナンキが日銀に「ケチャップを買え」と言ったのは彼なりの皮肉なのでしょうが、現実の政策として考えると、ケチャップよりも遙かに流動性の高い土地や株式ですら日銀が買うことには疑問の声が多いでしょう。また国債が700兆円発行されているとは言え、それを日銀が全部買えば日本の経済が動かなくなってしまいますし、年間の国債発行量である40兆円買うだけでも国債市場は大混乱になるでしょう。
そういうことを考えれば、リフレ政策を行うにしても日銀が購入できるのはせいぜい数兆円オーダーの国債だけだと思います。だからリフレ派が論じるべきなのは、その程度の国債を購入することでインフレターゲットを達成するのに十分なインフレ期待が生まれるのかということだと思います。
またバーナンキの背理法についても、「無税国家はありえないからリフレ政策は有効である」という結論は正しくても、この説明だけでは「そこまで極端な例を言われても」という感想を抱く人は多いと思います。
リフレ政策は理論的には正しいのに何故現実に採用されないのかという疑問は僕も抱いていますが、その理由の一つにこのような極論を好む悪癖があるのではないでしょうか。
もっとも、悪ノリでバーナンキ・ケチャップの画像を作ってしまう僕自身もこの悪癖に染まってしまっているので、その点は自戒が必要ですね。(汗)