Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

民主党がリフレ政策に冷淡な理由

稲葉振一郎さん(id:shinichiroinabaさん)のブログのコメント欄で繰り広げられている論争(2005-11-11 - インタラクティヴ読書ノート別館の別館)については、僕も生暖かい目で興味深く見守ってますが、id:svnseedsさんが自分のブログ(2005-11-18 - svnseeds’ ghoti!)で指摘されたid:dojinさんの言葉が、僕も気になっています。

リフレで景気よくなっても、また10年後とかに何らかの理由で景気悪くなったらどうせまた弱いものから切り捨てだろ?そういう社会構造そのものが気にいらねぇのに、リフレ派はそういうことについては何もいわねぇ。


この言葉にあるように左派は気に入らない社会構造を変革することが目的ですから、リフレ政策で全体的に景気が良くなると社会構造の矛盾が目立たなくなり、却って好ましくないことになります。そのため不況の方が望ましいという点で、清算主義派と利害が一致することになります。


さて、民主党は右派と左派の野合だとよく批判されますが、民主党右派は清算主義的な改革派が中心ですから、不況を通じた社会構造の変革を望んでいるという点では左派と意見が一致します。もちろん「変革」の方向性は反対ですが、どちらも景気が良くなって社会構造の矛盾が目立たなくなることは望みませんから、景気回復を望むリフレ派を敵とすることで、左派と清算主義派は手を組むことが出来るでしょう。
つまり今の民主党は不況を望む人達の連合体であり、このような政党がリフレ政策に賛成する可能性は低いと思います。そして民主党が一見野合とも見えるグループで構成されていることも、一貫してリフレ政策に反対していることも、左派、右派が共に不況を改革の好機と見なしていると考えれば、納得できますね。