「WEB2.0サイト = 発酵食品説」とインセンティブ
最近話題になっている「圏外からのひとこと」の「WEB2.0サイト = 発酵食品説」
http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20051124#p02
ですが、経済学的に考えてみれば、これはインセンティブ設計の話ではないでしょうか?
あちこちのブログでの反響をessaさん自身がまとめた記事
http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20051128#p01
で紹介されている「辺境から戯れ言」さんの記事
http://www.alles.or.jp/~spiegel/200511.html#d26_t1
を読むと、発酵させるにしても、雑菌が働かずに発酵に使われる酵母だけが活動するように、環境を作ってやる必要があることが分かります。
ここで雑菌の繁殖というのは悪い結果を生む活動の例え、酵母による発酵は良い結果を生む活動の例えですから、環境を作るというのは良い結果を生むようなインセンティブを人々に与えることに相当します。
さて、若田部昌澄氏は「改革の経済学」の中で、経済学の根本的な原則を「人々はインセンティブに反応する」と「ただのランチはない」と表現しています。
- 作者: 若田部昌澄
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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オープンソースやWEB2.0の世界で何かを生み出すためには、公開したアイデアを人々に利用してもらい、さらに新しい物を生み出してもらうことが必要です。そのためには人々にどのようなインセンティブを与えるかが重要であり、またアイデアのただ取りを防ぐ必要があります。
この原則は先ほど述べた経済学の根本的な原則と同じです。従って、WEB2.0的な世界がうまく働くような仕組みを作るというのは、経済学でいうところのインセンティブ設計の問題だと思います。