Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

靖国問題の国際化

"溜池通信"でかんべえさんがほぼ毎日書かれているかんべえの不規則発言の2月20日分では、中国は台湾問題において台湾をアメリカに叱ってもらうことに成功したので、それと同じ手法を日本の靖国問題でも使うだろうと予想しています。

〇そうなると、中国の次の一手も見えてくるわけですね。それはおそらく「靖国問題の国際化」です。つまりアメリカに日本を叱ってもらうための作戦を展開中なのだと思います。「靖国問題は信仰の自由の問題」などと言っても、彼らにはそんなの関係ないですから。そうなると、アメリカの世論を日中のどっちが味方につけるかという競争になるわけですが、とりあえずニューヨークタイムズで麻生外相が叩かれたのは、その前哨戦であると見た。

〇日中がアメリカを舞台に広報外交戦争をするとなると、日本側の勝ち目は正直、薄いと思います。それは、?中国側の方が取引材料が豊富、?先手を取られている、?日本は国論が割れている、?英語力でも負けている、などの理由があるからですが、そもそも靖国問題でアメリカ人の理解を得ることは相当に難しい。以前にかんべえが一緒に靖国ツァーをしたクリス・ネルソン氏が、「靖国神社はアーリントン墓地とコンフェデレーション・フラッグの両方の意味を持つ」と書いてくれたのは破格の善意というもので、少なくとも「遊就館史観」をアメリカに支援してもらおうというのは考えが甘過ぎる。はっきり言いますが、この点については日本が期待値を下げるしかないと思います。


遊就館史観」もそうですが、「何故A級戦犯靖国神社から分祀できないのか?」という点もアメリカにはなかなか理解できないことだと思います。そうなるとアメリカは中国の主張の方が妥当だと思うでしょう。従ってアメリカは日中関係を改善させるために、日本に対して靖国問題解決への圧力をかけるのではないかと思います。アメリカの圧力とあっては、政府も無下にはできないでしょう。ポスト小泉の首相は難しい選択を迫られそうです。