Baatarismの溜息通信

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何故日銀は量的緩和解除を急ぐのか?

今回の量的緩和解除をめぐる議論を見ていて疑問に思うのは、何故日銀はこれほどまでに量的緩和解除を急ぐのかということです。少し前までマーケットや政府は4月に解除すると予想していて、それなら仕方ないなという雰囲気だったのに、福井日銀総裁の会見の後、突然3月解除ではという観測が流れ、債券市場は大混乱になりました。このことについては、ぐっちーさんのような普段日銀の主張に理解を示している人ですら批判しています。


福井ショックだよ、これ - 債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら


何故そこまで急ぐのかというと、ドラめもんさんによると、3月解除だと7月には利上げか可能になるのに対して、4月解除だと利上げは早くても10月以降になるからだそうです。まだデフレ脱却が確実になっていないのに、何故そこまで利上げを急ぐのでしょうか?


どうも僕から見ると、日銀にとっては金利政策だけが正常な金融政策であり、量的緩和インフレターゲット、それと組み合わせた国債買いオペ増額などは異常な金融政策であり、本来やるべきではないことだと考えているように思います。だから経済状況や市場の声を無視し、理屈をいろいろでっちあげて、とにかく利上げに邁進するのでしょう。日銀にとってはゼロ金利脱出こそが金融の正常化であり、そのためにはデフレがいくらひどくなろうが、債権マーケットが混乱しようが、問題ではないのかもしれません。
こういう日銀の金利政策へのこだわりをみると、かつて浜口内閣が旧平価の金本位制にこだわって日本経済を大不況に陥れたことを思い出します。政策は日本経済を安定・発展させるための手段であり、目的ではないはずなのですが、あのときの浜口内閣も今の日銀も、金本位制金利政策という手段への思い入れが強すぎて、それを目的視してしまっていることが共通しているように思います。
浜口内閣は金本位制復帰に失敗し、日本を混乱に導きました。日銀の金利政策への固執は、日本をどんな未来へと導くのでしょうか?
(以上、印象操作気味ですがw)