Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

北朝鮮のミサイル大連発w

北朝鮮のミサイル発射についてはすでにあちこちで取り上げられていますが、今回はかんべえさんとbewaadさんが共に、北朝鮮にとってのメリットが見えないと指摘していますね。これには僕もなるほどと思いました。


かんべえの不規則発言(7/5)
http://bewaad.com/20060706.html


これまで北朝鮮は強引な行動をするときでもその裏ではどう事を収めるかを冷静に計算していたと言われますが、今回はそうではないようですね。北朝鮮としてはこのまま事態をエスカレートさせればいずれは二国間協議に乗ってくると踏んでいるのでしょうが、それは冷静な計算と言うよりは希望的観測の部類だと思われます。すぐ戦争になる可能性は低いでしょうが、協議がないまま日米による締め付けが何年も続く可能性は高いでしょう。


さて、北朝鮮がこういう行動に出た理由ですが、これについては「木走日記」(id:kibashiri)さんの記事が参考になるように思います。この記事によると、今回の件は金正日と軍が組んで独断で起こしたことであり、北朝鮮の外交当局は情報を与えられず蚊帳の外に置かれていたというのです。確かに発射直後、北朝鮮の外交官が日本からの質問で初めて発射の事実を知ったという報道もありましたから、この観測も納得できます。また、テポドン2だけでなくノドンやスカッドを何発も発射しているのも、この機会にミサイルの試射や演習をしたいという軍の意向が働いているのでしょう。


北朝鮮がロシアにすら事前通告しなかった理由 - 木走日記


あとこれは余談ですが、「常夏島日記」(id:potato_gnocchi)さんや「玄倉川の岸辺」さんで紹介されている小泉総理のインタビューが良いですね。この状況でとっさに「対話が余地ないとはどういうことですか?」「対話の余地は常に残しておかなきゃいけないんです。対話なしに解決できないんです」と発言したのは本心からでしょうね。こういう発言が出来るのなら、緊急時においても十分信頼できるでしょう。


常夏島日記(2006-07-06)
対話と圧力 - 玄倉川の岸辺