ソフトバンクの大炎上
番号ポータビリティ(MNP)制度が始まって初めての週末だったこの土日、ソフトバンクモバイルの管理システムが2回もダウンして他社も巻き込む大騒ぎになったことが、ニュースなどで大きく報道されました。思わずソフトバンクのCMにちなんで「予想外です」と言いたくなってしまう事態となったわけですが、これは本当に予想外だったのでしょうか?
id:michikaifuさんによると、ソフトバンクの新しい管理システムが稼働したのは10月半ばであり、あまりに準備期間が足りなかったようです。
携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)で、ソフトバンクが炎上しているとか。あー、やっぱり・・という感じではある。
アメリカで番号ポータビリティをやったのは、もう2年ぐらい前だったかな?このときも、当初AT&Tワイヤレスだけがトラブル続出で、FCCにお呼び出しをくらったりして大騒ぎだった。続出するバックオフィスのトラブルの一つの現象だったが、結局AT&Tワイヤレスはジリ貧となり、買収されてしまった。
今回のソフトバンク問題の記事をざっと日経で読んだところ、新しい管理システムを10月半ばに稼動したと書いてあった。えーーーー!!!!そんなの、無理に決まってるじゃん!起こるべくして起きた事件としか言いようがない。
MNP問題とテレコム人材難の考察 - Tech Mom from Silicon Valley
またフジサンケイビジネスアイの記事によると、26日になって急遽既存顧客に対してもプランの変更や新機種のゼロ円化を行うことを決定するなど、土壇場において大きな変更が行われたそうです。
しかも、殺到した顧客はNTTドコモや「au」を展開するKDDIからの流入によるものばかりではない。むしろ、「ソフトバンクの既存顧客が新しい格安プランに契約変更するための手続きにおわれた」(KDDI関係者)とみられている。
既存顧客の殺到は、ソフトバンクの戦略ミスによる“読み違い”に原因がある。
同社が「予想外割」と銘打ち、通話やメールが使い放題となる定額制の割安料金プランを電撃的に発表したのは、開戦前夜の23日。新プランの受け付け開始はシステム変更の都合から26日に設定した。
だが、発表直後から、同社に対し、「新規顧客や他社から移行してくる顧客を重視しすぎで、既存顧客に不公平だ」などの批判が殺到した。
同社によると、既存顧客が新料金プランに変更することも可能だが、変更には機種交換が必要で、新たな携帯端末の購入費用がかかるという。
ところが、他社からの契約変更などの新規顧客は、「新スーパーボーナス」という割賦販売制度を利用し、大半の端末を無料で手に入れることができるため、既存顧客から不満が噴出したわけだ。
事態を重く受け止めた同社は、26日になって既存顧客による機種交換も大半の機種でゼロ円にするといった施策を打ち出した。これが、混乱の元凶になっていく。機種交換に費用がかからず、かつ、契約中の既存のプランよりも新プランの方が安かったら、契約変更が殺到するのは当然といえる。
「ソフトバンクの市場シェアは16%程度だが、契約者の実数は1500万人に上る。仮に1割の既存顧客が動いても150万人という数字で、これを一挙に処理できるはずはない」
ある業界関係者は、こう指摘する。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200610310043a.nwc
このような状況であれば、システム関係者はトラブルが起こることが予想できたのかもしれません。孫正義社長にとって「予想外」であったのならば、現場の状況がトップに伝わってなかったのでしょう。
また、鳴り物入りで打ち出された新料金制度についても、実は安くないとか、場合によっては非常に高額料金となるといった指摘がされています。このような実態が広まったら、ソフトバンクの優位性はなくなってしまうでしょう。
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先週末のトラブルについても、実はソフトバンクからの転出が原因であったという記事も出ています。
ニュース - 【続報】ソフトバンクのシステム障害,MNPの転出処理が原因:ITpro
せっかく打ち出した新料金制度も不発で利用者が逃げていき、システムはトラブル続きで社会的非難を受ける、このような状況こそ孫社長にとって本当に「予想外」だったのかもしれませんね。w