Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

続・日銀発世界同時株安?

 中国株急落をキッカケに世界で株価が急落したことに、市場の一部では追加利上げに踏み切った日銀の判断に批判が出始めている。中国の一部報道で、株安の原因として日銀の追加利上げを指摘。福井俊彦総裁が「世界経済に対する不安は和らいでいる」ことを利上げの理由の1つにあげたことも批判の原因になっているようだ。ただ、欧米に比べ日本の金利は依然として低水準のため、利上げを決めた日銀だけに株安の原因を押し付けることに同情する声もある。

http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200703020036a.nwc

中国経済網 2007年03月01日

[要約]ある専門家は「ブラックテューズデー」の元凶が日本だとする。日本の中央銀行の利上げが国際的な投機マネーの動きを変化させた。彼等は日本から「借りた」マネーを中国、韓国、インドなどの新興国家の株式に投資していたのである。日本の中央銀行が自己の「貸出機」の役割を変えたことが、国際的な投機マネーの「利益確定」の動きを生み、今回のアジア太平洋市場の「暴落」を引き起こした。


(後略)


言葉の言いまわしを工夫して印象操作を行い、「中国は悪くないですよ」という責任回避、日本のへの責任の押し付けを行っています。いつもの通りです。

専門家がブラックテューズデーの原因を分析 日本が世界の市場に災いをもたらした: 中国反日情報


中国の経済誌で、株安の原因が日銀の利上げにあるという記事が出ているそうです。
確かに中国反日情報さんが指摘するような、中国側の責任回避と日本への責任押しつけという面もあるのでしょうが、すでに円ドル相場が115円台まで上がっていて、まだ止まる気配が見えないことを考えると、中国人でなくてもこのような日銀責任論に賛同したくなってしまいます。
どうやら日銀は、量的緩和解除と利上げを急いで再びデフレを招いてしまった1937年のFRBと同じ道を歩んでいるようですね。今回の日本の景気拡大は今年で終わるのでしょう。
その後どうなるかは、日銀が来年どうするかにかかっているのでしょう。もし新総裁が速水、福井の両総裁と同じ過ちを繰り返すのなら、日本のデフレ不況はさらに5年延びて、「失われた15年」は「失われた20年」となってしまうのでしょうね。