Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

フランス大統領選を見て思ったこと

フランスの大統領選は、サルコジ氏とロワイヤル氏が順当に決選投票に駒を進めたようです。
今回の大統領選の最大の争点は国内の経済と雇用問題で、それに対してサルコジ氏は米英流の資本主義を導入することを主張し、ロワイアル氏は福祉国家政策を強めることを主張しているようです。


ただ、どうも僕にはどちらの政策も的外れのように思えるんですよね。フランスが10%もの失業率を抱えているということは、深刻な需要不足に陥ってるのだと思います。本来、これを改善するためにはまず利下げをすべきなのですが、フランスはユーロ導入で金融政策をECB(欧州中央銀行)に譲り渡してしまったため、金融政策で問題を解決できません。そこでサルコジ氏もロワイアル氏も本質から外れた政策を打ち出さざるを得ないのでしょう。
本当に失業問題を解決したければ、フランスがなすべきことはユーロからの離脱だと思うのですが、これまでユーロ導入の中心になってきた経緯のため、どの候補もそれを主張できないんでしょうね。


日本もまともじゃない中央銀行を抱えて大変なのですが、国内政治で状況を改善できる可能性があるという点では、フランスやドイツよりはまだマシな状況なんでしょうね。フランスやドイツでまともに経済学を理解している人は、国内の状況に絶望しきっているのではないでしょうか?逆にユーロ加入を見送ったイギリスの判断は大正解だったと思います。


ただ、フランスやドイツも、ユーロの大義のために永久に金融政策を放棄できるかは疑問だと思います。これらの国が高失業率に我慢できなくなってユーロ離脱を声高に主張し始めたとき、ヨーロッパはまた変化するんでしょうね。


あと、日本にもアジア共通通貨を主張する人がいますが、もしそれが実現したら日本も10%の失業率に苦しむのでしょう。そんなことにだけはなって欲しくないですが。