Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

嫌韓派は情報が古い?

病としての韓国ナショナリズム (新書y)

病としての韓国ナショナリズム (新書y)

この「病としての韓国ナショナリズム」という本は、長年ソウルに在住しているジャーナリストである伊藤順子さんが2001年に出した本です。日韓W杯で嫌韓の動きが盛り上がる前に、韓国の排他的ナショナリズム外国人差別を批判した本であり、その後、嫌韓派によってこの本の批判的な部分が抜粋されて元ネタとして使われることもありました。ただし、この本自体は批判ばかりではなく、韓国の良い点は評価する内容です。


もう日本を気にしなくなった韓国人 (新書y)

もう日本を気にしなくなった韓国人 (新書y)

しかし、伊藤順子さんが先日出した「もう日本を気にしなくなった韓国人」によると、嫌韓派が批判しているような韓国の排他的ナショナリズム反日感情は、一般大衆のレベルではすでに過去の話だということです。その境目となったのは皮肉にも日韓W杯であり、このときのナショナリズムの熱狂を境として、排他的ナショナリズム反日感情は、マスコミや政治家や運動家や一部のネットを除けば、沈静化したそうです。
一方、日本では日韓W杯をきっかけにして、ネットを中心に嫌韓の動きが盛り上がっているのですが、皮肉なことにそこで取り上げられて批判されている内容は、W杯までのナショナリズムが盛り上がっていた時代の韓国についての情報だそうです。
考えてみれば、嫌韓話で語られている内容は、2002年から大して変わってないように思います。


この本には、他にも韓国人のアメリカや中国、北朝鮮に対する感情や、韓国系アメリカ人やコリアンタウンのナショナリズム(著者は韓国ナショナリズムの「現住所」はこちらだと言っています)など、興味深い話が色々書かれていますので、韓国に関心のある方は親韓、嫌韓を問わず、読んで損はないかと思います。


日本から韓国を見るときはどうしても韓国のマスコミやネットの情報に頼ってしまいがちですが、実は韓国で一番遅れているのはそのようなメディアなのかもしれませんね。