Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

AYライン崩壊?

短命に終わった第二次安倍内閣*1で、人事で大きな力を持っていたのが麻生太郎幹事長と与謝野馨官房長官で、この二人をさす「AYライン」と言う言葉も生まれたくらいでした。その後の安倍政権崩壊では「麻生・与謝野クーデター」などというデマ情報が飛び交ったりもしましたが、麻生氏は自民党総裁選で敗れた後は福田政権とは距離を置き、与謝野氏は自民党税制調査会小委員長・財政改革研究会会長として、最近の消費税増税論の中心となっています。


さて、id:fhvbwxさんに教えていただいたのですが、先日麻生氏は夕刊フジの連載で、消費税論議について言及する中で、こんなことを書いていました。

 最近は「日本は経済成長が見込めない。だから税収増のために消費税をあげるべきだ」との乱暴な意見もあるようですが、そうした意見には断固として反対したい。どんなに厳しい状況でも経済成長を目指し、知恵を出して取り組んでいくことは政治家の責務なんじゃないでしょうか。

麻生太郎オフィシャルサイト-夕刊フジ連載「日本の底力」-消費税論議、経済成長が前提

このように麻生氏は、「日本は経済成長が見込めない。だから税収増のために消費税をあげるべきだ」という意見を「乱暴な意見」と批判しています。ところが、このような意見の急先鋒が、「AYライン」で協力関係にあった与謝野氏です。与謝野氏の消費税増税へのこだわりは徹底したもので、小泉内閣時代の竹中・与謝野論争で与謝野氏を批判した高橋洋一氏を、2年近く経った第2次安倍内閣官房長官の時に、安倍総理の意に反して左遷しようとしたほどです。


与謝野馨の陰謀?w - Baatarismの溜息通信


このような与謝野氏が、与謝野氏の信念である消費税増税を「乱暴な意見」と批判した麻生氏を許すとは思えません。もし麻生氏が首相になったとしても、そのときに与謝野氏が復権することはなく、与謝野氏は反麻生派になるのではないでしょうか?


僕はfhvbwxさんに指摘されたように、「AYライン」の時代には麻生氏が与謝野氏に取り込まれたのではないかと心配していました。だから今回の麻生氏の発言は素直に喜んでいます。
この際、麻生氏は高橋洋一氏と密かに会談して、本当に高橋氏をブレーンにしてしまえば良いと思うんですけどね。「諸君」誌の記事を読んでみたのですが、彼にはそれだけの力量はあると思います。*2


http://d.hatena.ne.jp/fhvbwx/20071025/1193756787

*1:もうすっかり昔の話のように思えますが、考えてみればたった3ヶ月前の話なんですよね。w

*2:財投改革の経済学」も読まないとなあ