Baatarismの溜息通信

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チベット問題での素朴な疑問

 ブッシュ米大統領は26日、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席に電話し、中国チベット自治区などで起きた騒乱をめぐり、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世側との対話を迫った。胡氏はチベット人の行為を「ひどい暴力犯罪活動」とし、ダライ・ラマチベット独立の主張を「正真正銘放棄」するなどした場合には対話が可能、と応じた。


 ハドリー大統領補佐官(国家安全保障担当)によると、ブッシュ氏はチベット自治区での「暴力」に懸念を示し、治安当局が自制的に対応する必要があると強調。さらに、「チベット人の苦悩に対処する中国政府の取り組みの一環」として、現在中断中の中国とダライ・ラマの特使による協議を再開する必要がある、と呼びかけた。


 これに対し、中国外務省によると、胡氏は今回の騒乱は「ダライ・ラマ一派が吹聴する平和的デモ、非暴力行動といったものではなかった」と指摘。「いかなる責任ある政府も座視できなかったものだ」と対応を正当化した。対話の条件としては「暴力犯罪活動や北京五輪に対する破壊活動の扇動、画策をやめること」も挙げた。


 ブッシュ氏はチベット騒乱についてこれまで目立った発言を控えており、チベット支持者の間では失望感も生まれていた。ハドリー氏は台湾総統選が終わったことなどを受けて電話したと説明したが、批判をかわすために電話会談に踏み切った可能性がある。

http://www.asahi.com/international/update/0327/TKY200803270157.html



チベットで起こっている騒乱がダライ・ラマ一派のしわざであるという中国の主張は、中国人以外誰も信じていないと思うのですが、何故中国はいつまでもこの主張にこだわるんでしょうね?
中国が「ダライ・ラマとは別のチベット独立を企てる過激分子の犯行」という見解に変更しても、中国にとって騒乱を鎮圧するのに不都合はないはずだし、国際社会が求めるダライ・ラマとの対話の道も開かれるので、却って中国にとって良い結果になると思うのですが。
もし、最初に「ダライ・ラマ一派のしわざ」と言ってしまったがために、面子にこだわってそれを変更できないのであれば、それは中国に大いなる災いを招きかねない硬直した外交となってしまうと思います。
それとも、「ダライ・ラマ一派のしわざ」という主張を撤回すると、胡錦涛温家宝ですら失脚しかねないほど、胡錦涛政権の基盤は弱いんでしょうか?