Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

情報工学科の人気暴落

僕は約20年前に大学の工学部を卒業したのですが、当時の情報工学科は工学部でも一番人気が高い学科でした。しかし、今や情報工学科は工学部で一番人気が低い学科になってしまったようです。

− IT業界のイメージが悪化している。最近は大学でも情報工学系の人気が低い。


 情報系の学科で定員割れを起こしているのは日本くらいだろう。職業のイメージが悪すぎる。


 やはり基本的に“手間賃”でお金が支払われるビジネスモデルがソフトウエア産業のすべてを悪くしている。価格競争で手間賃の競争になれば,実際の開発はどんどん“孫請けの孫請け”といった下請けに行く。そういう構造がIT業界が悪く言われる遠因になっている。


 入札も知恵ではなく価格だけで決まっている。そうするとそれに対応するには,賃金の安い人を使わざるを得なくなる。


 でもソフトウエアというのはある種の知恵だ。一つの知恵が世界を変えるという面白さがあるわけで,この点をもう一度考え直さないといけない。


 例えば,Winnyにはいろいろ問題はあったが,世界的なレベルの発想であり技術だった。P2Pの一つのソフトウエアが通信を大きく変えた。本来ITはそういうことができる面白い世界のはずだ。

編集長インタビュー - 【後編】Winnyは世界レベルの技術,NGNは21世紀のキャプテンシステムだ:ITpro

スタンフォード大学に周りのベンチャー企業がやってきて優秀な学生を取り合ったり、学生は学生で将来性のありそうなベンチャーはどこか品定めをしたり、自分たちで次から次へと会社を興す様子を見ていたのでそういう活気を期待していたけど、大分様子が違うようだ。情報学科の学生は引き手数多の人気学科なんじゃないのかと思っていたらどうやらそうでも無いらしくて、最近では工学部の中でも最も人気の無い学科だという。ベンチャーの中からまだあまり大きな成功事例も出ておらず、学生の中には安定志向の就職を求める人たちも多いし、学部はプログラムを書かなくても卒業できてしまうので、在学中はプログラムを書かない学生もいると言うので驚いた。

百万ベンチャー - jkondoのはてなブログ



いくら梅田望夫氏や中島聡氏がITやインターネットの素晴らしさを訴えても、日本では「IT土方」に頼るSIベンダーや携帯開発が蔓延しているという印象が強いですから、結局はこうなってしまうんでしょうね。そりゃ誰だって「IT土方」にはなりたくないと思いますから。
この20年間、ひたすら評判を落とし続けていた日本のIT業界、特にSIベンダーって、いったい何をやってきたんでしょうね?