Baatarismの溜息通信

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定額給付金反対は埋蔵金温存か?

 衆院は6日午後の本会議で、2008年度第2次補正予算案に関する各党代表質問を行い、与野党の論戦が始まった。

 民主党鳩山幹事長は、2次補正の柱となる2兆円規模の定額給付金について「究極の大愚策で、国民のほとんどが批判している」と強調し、定額給付金分の財源を雇用対策などに振り向けるよう主張した。自民党の保利政調会長は、景気刺激効果があると反論し、2次補正の速やかな成立を訴える。

 これに関連し、民主、社民、国民新の野党3党は6日、2次補正から定額給付金分を削除する修正案を衆院予算委員長あてに提出した。定額給付金などの財源を確保するための財政投融資特別会計特例法案の修正案も、近く衆院財務金融委員長あてに提出するが、与党は修正に応じない方針。

 また、野党各党は6日、解雇された派遣労働者らの仕事と住宅の確保を求める国会決議案を衆院に提出。自民、公明両党も、雇用対策の推進に向けて2次補正などの早期成立を求める決議案をまとめ、衆院議院運営委員会理事会に提示した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090106-OYT1T00455.htm



通常国会が始まり、2次補正予算の2兆円規模の定額給付金を巡って、野党や自民党渡辺喜美議員などが反対しているようです。


ただ、この定額給付金については、僕はちょっと疑問に思うところがあります。
まず、定額給付金の財源についてです。これまでの報道を見ている限り、国債定額給付金の財源に充てるという話は出ていないので、いわゆる「霞ヶ関埋蔵金」、つまり特別会計の余剰金を財源に充てると思われます。*1
次に、野党など反対派は定額給付金の財源を別の予算(例えば上のニュースでは雇用対策)に振り向けるよう主張してますが、それでは具体的にどの分野に当てるかとなると、反対派の間でも意見がバラバラでまとまっていないようです。例えば野党が一致して「定額給付金の財源をこの分野に支出せよ」と言ったという話は聞きません。


となると、もし定額給付金が国会で否決された場合、一番ありそうな可能性は、定額給付金分の2兆円が全く支出されず、埋蔵金として温存されてしまうことです。
もしこれが本当の狙いであれば、その黒幕として考えられるのは、今埋蔵金を握っている官僚となるでしょう。その筆頭は財務省ですが、それ以外にも埋蔵金として名指しされている特別会計を握っている全ての省庁が後ろにいるのでしょう。
彼らにしてみれば、マスコミを動かして定額給付金バッシングをやらせるのは朝飯前でしょう。もしそのような官僚の扇動に野党もマスコミも世論も踊らされているのであれば、この定額給付金問題に乗じて麻生政権叩きに走るのは、とんでもない間違いとなってしまいます。
例えわずか2兆円と言っても、また国民へのバラマキは効果が薄いと言っても、埋蔵金として官僚の元に戻ってしまうよりは、定額給付金として支出される方が、よほど国民のためになるはずです。


どうもこの定額給付金については、報道されていることだけ見て麻生政権批判を行う前に、本来報道されるべきことが報道されていないのではないか、その裏には誰かの意図があるのではないか、そこを考えた方が良いと思います。でないと、コロッと騙されかねないという危険を感じます。

*1:この財源の話が報道でぼかされているのも、疑念をかき立てる点ですね。