Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

「虚偽内容の流布」を許容できない韓国政府

 【ソウル=稲田清英】インターネット上で韓国経済の危機を「予言」し、話題を呼んでいた論客とされる30歳の男性を、韓国検察が電気通信事業法違反の疑いで逮捕したことが8日分かった。「ミネルバ」の筆名で、通貨ウォンや株価の急落を予測。検察側は「虚偽内容を流布した」としているが、検察の対応に批判も出ている。

 書き込みは韓国の大手ポータルサイトが舞台。米リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)やウォンの急落を予測し、韓国では「ネット上の経済大統領」などと呼ばれ、素性に関心が沸騰。最近では「3月に日本の金融機関が一斉に資金を引き揚げ、危機が訪れる」との主張で話題を集めていた。

 一方、政府は経済危機が続く中で神経をとがらせ、昨年末には「政府が主要金融機関などにドル買いを禁じた」との書き込みに「事実無根」と反論。検察側も虚偽の内容を広めたと判断した。

 韓国のネット上では8日午後に逮捕のニュースが流れると書き込みが集中。表現の自由への侵害と訴え、「韓国は民主主義国家なのか」といった批判が相次いだ。

http://www.asahi.com/international/update/0108/TKY200901080241.html



韓国で経済関係の「予言」を行い話題となっていた「ミネルバ」という人物が、「虚偽内容を流布した」という理由で逮捕されたそうです。
その正体については、50代の経済専門家という説もあったのですが、実際には独学で経済学を勉強した30代の男性だったそうです。彼については、韓国国内のメディアのみならず、英エコノミスト誌も取り上げていました。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/355
ネットユーザーら、ミネルバの実体に衝撃 | Joongang Ilbo | 中央日報


「独学で経済学を勉強した人が、ネットで経済について論じている」という点で、この「ミネルバ」氏と僕は共通しています。もし僕が韓国人でブログで経済を論じていたら、やはり「虚偽内容の流布」を疑われていたのかもしれません。((((;゜д゜)))ガクガクブルブル


ただ、通常の先進国であれば、多少「虚偽内容の流布」が行われたとしても、読む側がその真偽を判断して虚偽内容を排除していくものなのですが、韓国では昨年のBSE問題の時の「ろうそくデモ」のように、社会全体が虚偽内容を信じ込んで大混乱となることもあるので、政権側としても「虚偽内容の流布」に対して神経質になってしまうのでしょうね。この「ろうそくデモ」については、かつてこのブログでも論じたことがあります。


トンデモ情報から始まった韓国の混乱 - Baatarismの溜息通信
「私刑化」する社会についての日韓比較 - Baatarismの溜息通信


この2番目のエントリーでも述べましたが、やはりひろゆきが言ったような「嘘を嘘と見抜けないと(掲示板を使うのは)難しい」という考え方がないと、いずれは政府がネットを規制せざるを得なくなってしまうのでしょうね。