Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

速水元日銀総裁死去

 僕の速水氏への評価は、以下に引用(『経済論戦の読み方』講談社新書)した一文にもあるように、適切な金融政策に終始消極的であり、それが日本の停滞を確実に長期化させたというものでしょう。そして速水総裁時代に採用された量的緩和政策の導入前後も、速水氏が積極的にそれらの政策をけん引したというよりも、不承不承不本意な形で採用し、その不満が総裁発言にも終始みられたことでしょう。そのことがまた金融政策の信頼性を著しく損なわせました。また速水氏の経済思想の根底には、「強い円」=円高デフレ志向が濃厚であり、またそれと同時に不況対策としての金融政策を用いることよりも、別種なものにとらわれているように思えたものです。

速水優元日銀総裁が死去 - Economics Lovers Live



「速水死してデフレを残す」という感じがしますね。
1997年〜1998年の経済危機によって徹底的な金融緩和が求められていた時に、大蔵省と日銀のスキャンダルの余波で日銀総裁の有力候補がみんなダメになってしまいました。その結果、速水氏が日銀総裁になったですが、それがよりによって景気回復よりも「強い円」を追求する、経済危機における中央銀行トップとしては最も不適切な人物であったわけです。
彼があの時期に日銀総裁になったこと自体が、日本にとって大いなる不幸でした。もし日本経済がこのまま没落するのであれば、その口火を切った人物として、歴史に名を残すのでしょうね。