Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

新型インフルエンザ雑感

 政府の新型インフルエンザ対策本部幹事会は、16日にまとめた確認事項で、国民や事業者、政府などが注意する感染防止のポイントを具体的に説明している。

 マスクは、せきやくしゃみに含まれるウイルスが飛び散るのを防ぐ効果が高いとし、屋内や公共交通機関など換気が悪く、閉鎖的な場所での着用を勧めている。特に、患者などが活動した地域に停車する電車では、混雑時にマスクの着用を呼びかけている。着用の目安は対面する人との距離が1〜2メートル以内で、すいていれば付ける必要はない。屋外では相当な人込みでない限り着用は不要だ。

 集会やスポーツ大会は、病み上がりや体調不良、発熱している人は参加や観戦を遠慮するよう徹底する。屋外では人と人が1〜2メートル以内で接触しないように、運営方法も検討する。

 生徒・児童に感染者が出た場合、人口密度や通学圏などを考慮して、原則的には市区町村の一部または全域の学校・保育施設などに臨時休業を要請する。場合によっては、自治体の判断で、都道府県全域での閉鎖を要請する。しかし、大学は長時間一つの部屋で授業を行うわけではなく、複数のキャンパスを持つ大学もあるため、各大学で運営方法を工夫するよう要請する。

 学校以外にも、高齢者の介護施設、福祉サービス事業所、通所施設、児童館、放課後の児童クラブが臨時休業の対象になる。

 厚生労働省や自治体は、育児や介護のために会社などを休まざるをえない人が休暇や在宅勤務を認められるよう事業者団体に要請する。

 事業主は、従業員の通勤での感染を避けるため、ラッシュ時の公共交通機関の利用を避けるよう時差通勤や自転車通勤などを検討する。しかし、業務の一時停止や検温といった措置までは必要ない。

 娯楽施設や飲食店などでは、病み上がりや体調不良の人には利用を遠慮してもらい、客同士の席を離す。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090516-OYT1T00957.htm



神戸や大阪で海外渡航歴のない人の感染が発覚したことで、水際での阻止が完全に破綻したことが明らかになりましたね。恐らく、関西には症状の出ていない感染者が他にもたくさんいるのでしょう。
成田で隔離されていた人達が解放されたタイミングで発生するとは、「水際作戦」が運命の神にあざ笑われているかのようです。
毒性が低く、通常のインフルエンザへの対策が有効であることが救いですが、明日からはまた通勤ラッシュが始まりますから、そこで感染が広まる可能性が大きいでしょう。
上の記事によると、政府は「事業主は、従業員の通勤での感染を避けるため、ラッシュ時の公共交通機関の利用を避けるよう時差通勤や自転車通勤などを検討する。」と呼びかけているようですが、そんな対策を盛り込んでいる企業は聞いたことがないですから。


また、保育園や幼稚園が閉鎖されるとなると、そこに子供を預けている親(特に母親)が会社に行けないという問題も出てくるわけですが、そのために休暇を取ると退職を迫る企業も出てくるのでしょうね。それが違法行為だとは言っても、大不況で苦しんでいて、そのようなコストを負担する余裕がない企業も多いですし、政府や自治体がそれを解決するための金銭的な支援を検討しているという話も聞かないですから。


そして人の流れの多さを考えると、関西だけではなく全国に広まるのも時間の問題でしょうね。6月には日本も今のアメリカのような状況になっていると思います。特に首都圏は通勤ラッシュがひどいですから、あっと言う間に広まるかもしれませんね。