Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

合理性を否定する鳩山首相?

鳩山政権の経済政策の混乱ぶりにはいいかげんうんざりしているのですが、さすがに首相が施政方針演説で合理性を否定するとは思いませんでした。

 鳩山由紀夫首相が臨時国会で26日に行う所信表明演説に臨む基本方針が20日、明らかになった。首相は「無駄遣いの徹底的な排除」「経済合理性に偏らない経済の実現」など鳩山内閣の5つの重要課題について、「大枠の考え方」を示すとしている。
 基本方針は、首相が20日の閣僚懇談会で説明した。この中で首相は「私の政治理念や内政・外政の基本的な考え方を私自身の言葉で語り、国民に伝えることを最優先する」と強調。自らが掲げる「友愛の社会」づくりについては、分かりやすい言葉で説明するとした。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091020-00000142-jij-pol



そもそも合理性というのは、事実に基づく原理原則を重視して、人間の思い込みによる偏りを否定する概念だったと思うのですが、それを「偏り」として否定するのであれば、否定する方が思い込みによって偏っているのではないかと思ってしまいます。
そして、そのような合理性を無視した経済政策は、経済の合理性*1から予測可能な「副作用」を発生させ、政策実施者の意図に反した結果、それもしばしば大きな問題となる結果を招くと思うのですが。


まあ、首相自ら合理性を否定するような政権であれば、閣僚達が自分の思い込みに基づいててんでばらばらに動き、その結果経済政策が混乱するのも当然なのかもしれませんね。
科学の分野で合理性を否定すると、オカルトやトンデモとして批判されますが、経済の分野で合理性を否定する首相はどう呼べば良いのでしょうか?
かつて鳩山首相はOR(オペレーションズ・リサーチ)を学んでいたはずなのですが、そのころの合理性はどこに行ってしまったんでしょうねえ。

*1:これを体系化したのが経済学ですね。