Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

上げ潮派一掃内閣

福田総理が、8/1に突然内閣改造を行いましたが、新しい内閣や自民党の人事を見て思ったのは「上げ潮派一掃内閣」という言葉でした。そう言いたくなるくらい、見事に中川秀直氏に近い人物が外され、与謝野馨氏に近い人物が重用されているように思えます。
さすがに福田総理も気にしたのか、中川(秀)氏に国家戦略本部本部長代行というポストを与えましたが、ここが上げ潮派やそれに近い改革派の牙城となって、内閣の経済政策を握った与謝野氏と対立することになるのでしょうか。
ここまで上げ潮派を干してしまうと、中川(秀)氏主導による政界再編という芽も出てくるのかもしれませんね。


あと、今回の人事では麻生太郎氏の幹事長就任が注目されていますが、この1年で彼が与謝野氏率いる増税派に近い立場であることがはっきりしたので、どうも去年ほど彼には期待できなくなってしまいました。麻生氏にしろ与謝野氏にしろ、インフレに対するアレルギーさえ払拭してくれれば評価を見直すこともできるのですが、「インフレは悪魔的」という立場には揺らぎはなさそうですね。
この調子だと福田政権だろうが麻生政権だろうが、経済政策は与謝野氏が主導することになり、デフレ不況が続いてそこに消費税増税が追い打ちをかけるという、1997年〜1998年の二の舞を演じてしまうことになるのでしょうね。
もし政権交代民主党政権になったとしても、民主党もまたインフレアレルギーを持った政党ですし、本音では消費税増税を目指しているでしょうから、政権交代にも期待できそうにはありません。
中川(秀)新党でもできれば話は変わってくるのかもしれませんが、そうなったら自民・民主のインフレアレルギー連立政権が誕生したりして。w


日本経済はもう一度デフレ不況を経て、ようやくインフレアレルギーを払拭できるのでしょうかねえ。少なくとも、現在大学生の方は、もう一度就職氷河期が訪れることを覚悟した方が良いのかもしれませんね。