「エリートvs庶民」は本当だったのか?
4/23に行われた衆院千葉七区の補欠選挙は、民主党が推した太田和美候補が自民党・公明党が推した斎藤健候補を破って当選しました。
この選挙では、元官僚である斎藤候補に「エリート」、キャバクラ嬢の経験がある太田候補に「庶民」というレッテルを貼り、「エリートvs庶民」とはやし立てる報道がなされました。
Excite エキサイト
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20060414-OHT1T00010.htm
しかしこの見方は正しかったのでしょうか?
作家の大石英司氏のブログ「大石英司の代替空港」には、両候補について次のような文章があります。
私は、勝った側も負けた側の候補者にも全く関心がなかったんですが、なんでも、負けた側の人は、確かに経歴はエリートだけど、金銭的には全く恵まれない家庭で育ったとかで、一方当選者は、資産家のお嬢さん。キャバクラ勤めは、高級品でも買いすぎてお小遣いが尽きたのでしょうか。そんな人間が心にもない格差是正を訴えて、格差の中で見事自分の実力だけで途を切り開いてきたエリートを蹴落とす。選挙って皮肉ですよね。
鉄道システムのあり方: 大石英司の代替空港
また政治学者で議員秘書でもある雪斎さんのブログ「雪斎の随想録」には、次のような文章があります。
斎藤さんは、その華々しい経歴の裏に、若き日々の「刻苦勉励」がある。聞いた話に依れば、斎藤さんの生家は貧しかったらしく、文字通りの「刻苦勉励」で今までのキャリアを築いたそうである。この話の真偽は確認していないけれども、こうした話を、もう少し聞きたかったような気がする。とかく、人々は、「エリート」という表面しか見ないらしい。
雪斎、反省する。: 雪斎の随想録
このようにネットからは先の報道とは逆に、斎藤候補が庶民の出身であり、太田候補は庶民の出身ではないという情報が得られます。
もしネットの情報が正しければ、「斎藤候補はエリートだけど、太田候補は庶民で親しみが持てるから、太田候補に投票した」という有権者は、見事に騙されたことになりますね。
先の報道が熾烈な選挙戦の最中に行われたことを考えると、何らかの情報操作があった可能性も否定できないでしょう。