書評『ダメな議論−論理思考で見抜く』(ちくま新書,ASIN:4480063323)
世の中の様々な議論の中から、一見もっともらしく見えるけど、ちょっと考えればダメだと分かる議論を見抜く方法論を論じた本です。
著者が本の前半で提示する5つのチェックポイントは誰でももっともだと思うものですが、本の後半で経済や社会を論じるときによく出てくる意見に適用すると、ダメな議論がどんどん明らかになってしまいます。w
著者は新進気鋭の経済学者で、この本で取り上げられている事例も経済関係が多いのですが、この本では経済学の難しい議論など一切使わなくてもダメな議論を見抜けることを示しているのが、面白いところです。言い換えれば、経済学以前の議論が経済論壇にははびこっているということなのでしょうが。
この本は「経済学はよく分からないけど、できればエコノミストの意見の真贋は見抜きたい」という人にはお勧めです。
- 作者: 飯田泰之
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 新書
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なお、著者の飯田泰之氏(id:Yasuyuki-Iida)のブログもはてなダイアリーにあります。本書の訂正も、次のページに出ていますね。