Baatarismの溜息通信

政治や経済を中心にいろんなことを場当たり的に論じるブログ。

疑似科学としての『デフレの正体』

以前に藻谷浩介氏の著書『デフレの正体』について、菅原晃氏がブログで行った批判のリンク集をまとめたのですが、その後『疑似科学ニュース』で、様々なサイトでの批判記事がリンク集にまとめられていました。菅原晃氏のブログも取り上げられています。


「デフレの正体」の批判リンク : 疑似科学ニュース 「デフレの正体」の批判リンク : 疑似科学ニュース


さらに、ブログ主のメカAGさんは『デフレの正体』を分析して、科学や歴史の定説を否定するトンデモ本と同様の傾向があることを明らかにしています。


「デフレの正体」の著者はトンデモさん? : 疑似科学ニュース 「デフレの正体」の著者はトンデモさん? : 疑似科学ニュース


続「デフレの正体」の著者はトンデモさん? : 疑似科学ニュース 続「デフレの正体」の著者はトンデモさん? : 疑似科学ニュース


予言しよう「デフレの正体」の続編は必ず出る : 疑似科学ニュース 予言しよう「デフレの正体」の続編は必ず出る : 疑似科学ニュース


「デフレの正体」著者の藻谷浩介の他の主張に対する批判 : 疑似科学ニュース 「デフレの正体」著者の藻谷浩介の他の主張に対する批判 : 疑似科学ニュース


これらの記事は、疑似科学やその提唱者が持つパターンや手法が分野は違っていても似通っていることを説明し、『デフレの正体』もそのパターンや手法に沿っていることを論証しています。
そして疑似科学は一見人間の常識に沿っているかのように見えるため受け入れられやすく、それが嘘だと見抜くことは実は難しいことや、専門家が疑似科学の嘘を見抜くときはいい加減な根拠で否定はできず、論陣を張り反証を積み上げる時間が必要であるため、反撃が遅れてしまうことなど、なぜ疑似科学がしばしば人々に受け入れられるのかという疑問についても説明しています。実際、常温核融合のように世界的なブームにまでなった疑似科学もありました。


『デフレの正体』はしばしば『トンデモ本』と批判されますが、その内容や手法だけではなく、受け入れられやすさやしぶとさまで疑似科学の性質を受け継いでいるからこそ、ここまでのベストセラーとなり、多数の有名人や政治家の支持まで得ているのでしょう。
疑似科学批判からの『デフレの正体』批判は、経済学からの批判とはまたひと味違う、有益な考え方だと思います。